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エピローグ「はじまりの均衡」
世界は、変わらない。
朝は来て。
夜は訪れる。
人は笑い。
人は嘆く。
それらは、昨日と同じように繰り返されている。
巡礼地もまた、変わらない。
祈りは減った。
だが、消えたわけではない。
信じる者は、まだいる。
疑う者も、またいる。
どちらも、等しくそこに在る。
それでいい。
それが、続いている。
誰も知らない。
かつて、そこに何があったのか。
何が消えたのか。
記憶にも、記録にも残らない。
わずかに。何かが、整えられたという感覚だけが。
世界のどこかに、残っている。
そして。
ある場所で。
光が、揺れた。
小さく。
淡く。
それは、まだ何も知らない。
導く先も。
意味も。
ただ。
そこに在る。
同じ頃。
別の場所で、影が生まれる。
形は、定まらない。
濃くもなく。
薄くもなく。
ただ、在るだけのもの。
観ることも。
均すことも。
まだ、知らない。
やがて。
それらは、動き出す。
理由はない。
ただ、そう在るものとして。
名もなき光は、ただ導き。
名もなき影は、静かに均す。




