↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
47/48

鼓動4:教室の噂

(ホームルームが始まる前、2年B組の教室はざわめきに包まれていた。廊下を伝って火事以上の速さで広まった「噂」のせいで、空気は重苦しい。粕美 白は自分の席に座り、ノートに集中しようとしていたが、背中に刺さるような視線を感じていた。彼が顔を上げると、囁き声がピタリと止まる。教室全体が、彼の反応を伺っているようだった)


男子生徒A: —「おい、粕美……。噂、本当なのかよ? バスの連中が騒いでるけど、俺には信じられないぜ」


男子生徒B: —「悪く思うなよ、粕美。でも白崎さんって学校一の美少女だろ。なんでお前みたいな普通の奴なんだ? 白崎さんがそんなことするなんて、筋が通らねえよ」


(白は答えず、俯いた。机だけが唯一の避難所だった。沈黙が彼を飲み込もうとしたその時、森田 大輝が鉛筆を机に叩きつけ、立ち上がった。その音が静まり返った教室に響く)


森田 大輝: —「おい、事情も知らないくせに勝手なこと言うな。白は俺の親友だ。お前らが見えてる以上の価値がこいつにはある。白崎さんが誰を好きになるかなんて、お前らが決める権利はないだろ」


清水 海斗:(冷静に本を閉じ、横目で連中を睨む) —「人のことを詮索するより、他にやることあるんじゃないのか。起きたことは起きたことだ。それ以上でも以下でもない。いちいち問い詰めるなんて、見ていて情けないな」


(入り口でキャンプの書類を届けていた相沢 陸が、悠然とした足取りで近づいてくる)


相沢 陸: —「二人が一緒にいる理由が分からないなら、それは君たちの見る目がないだけだ。先輩として助言するが、席に戻りなさい。恋は君たちが想像するようなルールに従うものじゃない」


藤本 そうた:(席から叫ぶ) —「お前ら、何も見てないんだな! バスの二人の火花、数キロ先からでも分かったぞ!」


神崎 ゆうた: —「嫉妬すんなよ! 俺たちは二人が見つめ合うところを見たんだ。お似合いなんだよ!」


(そこへ、陸に同行していた朝比奈 未来が、瞳の奥が笑っていない静かな微笑みを浮かべてやってきた)


朝比奈 未来: —「あら、騒がしいわね。ハクくんをあんまりいじめないであげて。彼は私にとっても、ずっと特別な人なんだから。(一瞬、視線を廊下へ向ける) 彼女が彼を選んだのなら、それなりの理由があるはずでしょ? ……まあ、あんなに『公』にするなんて驚いたけれど」


(その瞬間、教室の扉が勢いよく開いた。ざわめきが瞬時に死に絶える。華、雪菜、直美、あかりの四人が教室になだれ込んできたのだ。華は迷いのない足取りで、まっすぐ白の机へと向かった)


白崎 華: —「私の気持ちに文句があるなら、私に直接言ってください。白くんは私が選んだ人です。誰の許可も必要ありません。……彼に恋をしたのは私なんです。逆じゃないんです!」


市ヶ谷 直美:(腕を組んで威嚇する) —「その通りよ! 図解でもしてあげないと分からないわけ? しつこいのは嫌われるわよ」


高木 蓮:(壁に寄りかかり、爆笑しながら) —「そうだそうだ、華ちゃん! 嫉妬に狂う奴らを黙らせるのが最高の朝だぜ。粕美に負けたからって、いつまでもグチグチ言うなよな!」


(バス組の声が上がり始め、白を疑っていた生徒たちは肩身を狭くしていった。あいり、めい、さくら……仲間たちの祝福の声が教室を満たす)


粕美 白:(机の下で手が震えていた。以前の自分なら、ただ俯いていただろう。けれど、今ここには自分のために戦ってくれる仲間たちがいる。彼はゆっくりと立ち上がり、拳を握りしめ、華の瞳を真っ直ぐに見つめた)


粕美 白: —「……華、守ってくれてありがとう。でも、君だけの気持ちだなんて思わせたくない。僕も君に恋をしたんだ。周りに何を言われてもいい。僕が一緒にいたいのは君だけだ。もう……沈黙なんて怖くない」


粕美 あかり:(兄の首に腕を回して誇らしげに) —「さすが私のお兄ちゃん! やっとみんなの前でシャキッとしたわね!」


黒瀬 雪菜:(時計を確認し、微かに微笑む) —「……話は済んだようね。感動的な宣言だったけれど、先生が廊下に来てるわ。全員、席につきなさい。今すぐに」


(先生が入ってくると同時に、一同は素早く散った。華は教室を出る間際、最後にもう一度白を見た。そして、耳まで真っ赤にしながら、投げキッスを送って自分の教室へと走り去った。恥ずかしさと幸せが混ざり合った、最高の笑顔で)


粕美 白の心の声:(座り直した僕の心臓は、新しい力で脈打っていた。初めて……もう沈黙の後ろに隠れる必要はないんだ。彼女が僕を選び、僕が彼女を選んだのだから)


つづく


著者ノーツ:


皆様、こんにちは!


ついに学校中が知るところとなった二人の関係。心ない言葉を投げるクラスメイトに対し、華の凛とした宣言と、それに答える白の勇気。


今回は未来の「ハクくん」呼びや、彼女なりの複雑な牽制も少し混ぜてみました。


そして最後の華の投げキッス……! 恋人になった実感が、白の中で確かなものになった瞬間です。


これからも二人の「鼓動」を応援よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。