第70話 ハチミツ村のハチミツフェス
~自然との共生と、バイブスの暴走~
七海は、花蜜ティーを手に、宿屋の縁側でほっと一息。
「……今日も静かに終われそう。蜂も戻ったし、よかったよかった」
その瞬間、空がパァン!と光り、スピーカー型の蜂がブンブン飛来。
「ナナミちゃーーん!!ハチミツフェス、開・催・だよぉぉぉ!!」
パリピ女神、登場。
肩には“DJハニー”、腰には“バイブス養蜂箱”、そして手には“蜂型マラカス”。
「ちょっ……また来たの!?しかも蜂型!?蜂、逃げるよ!?」
「逃げないよぉぉぉ!!むしろノってるぅ!!見て見て、蜂ダンス!!」
女神がステップを踏むと、周囲の蜂たちがリズムに合わせてブンブン旋回。
村の住民たちも、なぜか踊り始める。
「ハチミツは甘い!でもバイブスはもっと甘い!!イェーーーイ☆」
七海は、頭を抱えながら道具箱をポン。
“静音フィールド”を展開し、自分の周囲だけを無音空間に。
「……私は静かにティーを飲む。世界は救えないけど、騒音からは逃げられる」
夜。フェスは無事(?)終了。
女神は「次は“図書館レイヴ”だよぉぉぉ!!」と叫びながら空へ飛び去る。
村の住民は、踊り疲れてぐったりしながらも笑顔。
「……なんか、楽しかった……ような……」
七海は、マグを傾けてぽつり。
「蜂も踊る時代かぁ……異世界って、ほんと自由だなぁ」




