第66話 パンの町で、パリピ女神のパンフェス2025
~朝からバイブス…あがるかぁ!~
朝。七海は、ミルブレッド村の広場でふわふわのパンを手に、のんびりベンチに腰掛けていた。
「……この町、ほんと静かでいいなぁ。パンの香りだけで癒される……」
その瞬間、空がパァン!と光り、ズンドコリズムが地面を揺らす。
「イェーーーイ☆ナナミちゃーーん!!朝からバイブス、アゲてこーー!!」
肩にパイプオルガン、背中にスピーカー、頭には光る花冠。
パリピ女神、参上。
「ちょっ……えっ!? なんでここに!?パンの町だよ!?静かにしてよぉ!」
「静か?NO!今日は“パンフェス2025”だよぉぉぉ!! この町のパン、全力で盛り上げなきゃでしょ!? バイブス!!」
女神の一声で、町の広場にDJブースがポン。
道具箱から勝手に取り出されたスモークマシンとミラーボールが、パン屋の屋根に設置される。
「ナナミちゃん、パン持ってステージ上がって!!ふわふわダンス踊るよ!!」
「いやいやいやいや!!私、戦わないし踊らないし、パンは食べる専門だから!!」
「じゃあ、パンを掲げて!平和の象徴ってことで!!」
七海、渋々カンパーニュを高く掲げる。
町の住民たちも、なぜかノリノリでパンを振り回し始める。
「……なんでみんな乗っちゃってるの……?」
「ナナミちゃんの宿屋、今日だけ“VIPラウンジ”にするから!パンと音楽でチルしよ☆」
夕方。フェスは無事(?)終了。
町の住民たちは、パンを分け合いながら、笑顔で帰っていく。
「……まあ、結果的に盛り上がったし、パンもおいしかったし……うん、よしとしよう」
パリピ女神は、空に向かってズンドコジャンプしながら退場。
「次は“図書館フェス”だよぉぉぉ!!静寂にビートを刻むぅぅぅ!!」
七海は、そっとマグを手にしてつぶやく。
「……お願いだから、図書館だけは静かにして……」




