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第60話 森の奥で迷子のドラゴンと遭遇
~鼻炎注意!ドラゴンでも困るらしい~
森の奥、木漏れ日がゆらゆら揺れる小道を、七海はのんびり歩いていた。
ふと、草むらから「ぶえっくしゅん!」という大きなくしゃみが聞こえる。
「……ん?」
音のする方を見やると、小さなドラゴンが鼻をこすりながら、もぞもぞ動いている。
体長は子どもくらいで、目はうるうる。口から火をふわっと出すが、どうやら攻撃ではなく、ただの鼻炎のせいらしい。
「大丈夫…?」
七海はぽん、と道具箱を開けて取り出したのはティッシュと薬。
「これで鼻水も火も落ち着くはず」
ドラゴンはくしゃみをひとつして、ふぅーっとため息をついた。
七海はそっと薬を差し出すと、ドラゴンはぺろりと舐めて落ち着いた様子。
「ふぅ…これで一件落着かな」
子どもドラゴンは、安心したのか七海の足元にすり寄る。
「……いや、ドラゴンまで巻き込んで…でも平和だね」
七海は小さくため息をつきながら、マグを取り出してひと口すすった。
森の静けさの中、ドラゴンもまったりと七海の横に座っている。
なんだか今日も、世界は救わないけど、ちょっとだけ役に立てた気分だった。




