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第57話 炭酸とかかし
~シュワっと爽快~
王都郊外の畑。
そこには、村一番の名物と噂される「しゃべるかかし」が立っていた。
「おや、今日も暑いねぇ。炭酸でも飲みたいもんだ」
――そう、かかしは暇を持て余してしゃべる。
そこに通りかかった七海。
手には市場で買った瓶入りの炭酸水。
「ぷしゅっ」
栓を開けた瞬間、シュワシュワと泡が立ち上る。
「おぉぉ……!!その音! そのきらめき! まさしく文明のきらめき!」
かかしはガタガタと揺れて、まるで踊りだしそう。
「……え、かかしさんって炭酸好きなんですか?」
「好きに決まってるだろう! でも私は木と藁だから、飲んだらぐしょぐしょになる! だから永遠に見てるだけ!」
なんとも切ない……ようで、ただののんきなおしゃべり。
「……じゃあ、見てるだけサービスしますね」
七海は瓶をかかしの前に置き、わざと音を立てて炭酸をひと口。
「シュワ~~……」
「うおぉ! その音! その喉ごしの表情! 完璧だ! ありがとう人間さん!」
かかしは両手をばたばたさせ、畑のカラスたちをビックリさせて追い払った。
――こうして畑の収穫は守られ、七海のお腹もシュワっと潤ったのであった。




