第38話 通せんぼと小悪魔
~森の小道でちょっと不思議な午後~
七海は森の小道を散歩中、前方で立ち止まった。
木の枝の間から、小さな小悪魔が道をふさいで座っている。
「ここは通さないぞ!」
「えっ、通せんぼ?」
七海は首をかしげる。
小悪魔は羽をぱたぱたさせ、得意げに言った。
「通るなら、ちょっとだけ私と遊ぶんだ!」
七海はため息をつきつつも、困っている人を放っておけない性格。
「……じゃあ、付き合いますか」
小悪魔が提案したのは、簡単だけど不思議な遊び。
• 小枝を跳ねさせて輪っかに通す「枝輪投げ」
• 落ち葉を宙に浮かべて、キャッチする「落ち葉キャッチ」
• 小悪魔の羽の先についた光を追いかける「光追いかけっこ」
七海は最初、まさか大人が森で遊ぶとは思わず戸惑った。
けれど小悪魔が楽しそうにくるくる飛ぶのを見て、自然と笑顔になる。
「……意外と楽しいかも」
「ふふ、言っただろう? 通す前に遊ぶのがルールだって」
小悪魔は得意げに言うが、どこか嬉しそうだった。
遊びの途中で、小悪魔は小さな魔法を使った。
通せんぼしていた場所が、落ち葉や花で自然の小道アートに変わる。
七海は目を輝かせる。
「わぁ……通るのがもったいないくらいきれい!」
小悪魔は満足げに羽をぱたぱた。
「さて、これで通ってもいいぞ」
七海は通り抜けながら、振り返る。
小悪魔は森の中で、通せんぼのポーズを決めたまま、にっこり笑っていた。
森の午後は、ほんの少しだけ幻想的で、でも穏やかに過ぎていった。
七海は歩きながら、ふと呟く。
「小悪魔と過ごす時間って、なんだか不思議に癒されるなぁ……」




