第37話 やたら明るい女神とパリピ女神
~光とノリのダブル渋滞~
七海が村の広場に入ったとき、いつもの静かな雰囲気は消え失せていた。
爆音のパイプオルガンと、やけにテンションの高い声が交互に響いている。
「七海ちゃんっ!! ヤッホーー!!!」
太陽みたいな笑顔と共に手を振るのは、例の「やたら明るい女神」だった。
「えっ……女神様!? なんでこんなとこに……」
七海が目を丸くする間もなく、背後からズンドコリズムが響く。
「イェーーーイ☆ 今日は広場でバイブス祭りィ!! ノってるぅ!? ナナミちゃーん!」
パイプオルガンを肩からぶら下げた「パリピ女神」まで登場。
村人A「……朝から光が眩しすぎて農作業にならない」
村人B「音がデカすぎて牛が踊りだしたんだが」
七海は額を押さえて深いため息をついた。
「……ほんと、なんで私の周りにはクセの強い神様ばっかり集まるんだろう」
やたら明るい女神「七海ちゃん! 笑顔が足りてないよ! もっと! もっとスマイリー!」
パリピ女神「ナナミちゃん! ノリが足りてないよ! もっと! もっとアガって!」
「……いやいやいや!!!」
七海は両手を広げて必死に止める。
「私、これ以上笑顔もノリもいらないですから!
じゃあ……午前は女神様の“笑顔講座”、午後はパリピ女神の“ノリ講座”ってことでどうです?」
二人の女神は顔を見合わせ、同時に親指を立てた。
「オッケー☆」
「それでハッピー!」
村人たちは「……まぁ一日中よりマシだな」と苦笑いしつつ受け入れる。
七海は空を見上げ、ぼそりとつぶやいた。
「……世界を救うより、神様の相手のほうが難しい気がする」




