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第33話 洗濯物合唱団

~風に揺れる合唱団~

川沿いに宿を建てた七海は、道具箱から洗濯かごを取り出した。

「よし、今日は洗濯デー!」


川の水で服やタオルを洗い、さっぱり気分で物干し竿に並べる。

風が吹くと、洗濯物たちが気持ちよさそうに揺れ――


「ラ~ララ~♪ 洗いたて最高~♪」


七海の動きが止まる。

「……いま歌った?」


「お~れは~シャツ! 白さが命!♪」

「スカートのひらひら~風に舞う~♪」

「タオルはさっぱり水を吸うぅぅ~♪」


まるで合唱団。洗濯物たちが勝手にハーモニーを奏でている。


「いやいやいや、静かに乾いてくれればそれでいいんだけど!」


しかし洗濯物たちは完全にノリノリで、声を合わせてコーラス。

高音パートは靴下、低音パートは厚手の毛布、タオルはリズム隊としてビートを刻んでいる。


七海はソファに腰かけ、紅茶を飲みながらため息。

「……まあ、勝手に楽しそうならいいか。私、ただの観客だし」


気づけば風は心地よく、歌声は妙に癖になる。

結局、七海は夕方まで「洗濯物ライブ」を堪能することになった。


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