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第20話 パン屋大繁盛事件
旅の途中で立ち寄った町のパン屋。
店先からふんわりと香る焼きたての匂いに、七海の足は自然と吸い寄せられた。
「うわぁ……クロワッサン!絶対買う!」
焼きたてをかじった瞬間、七海は幸せそうにほっぺを押さえる。
ところが、店主のおじさんは肩を落としていた。
「最近は発酵が安定しなくてねぇ。せっかく焼いても失敗ばかりで……」
その一言に、七海は道具箱をゴソゴソ。
取り出したのは、なぜか“丸い小さな木箱”。
「生地をここに入れてみてください」
半信半疑で店主が試すと――みるみるふっくらと膨らむ生地!
結果、焼き上がりは見事な黄金色。
「すごいぞ!完璧なパンができた!」
あっという間に行列ができ、町中で大騒ぎに。
「伝説のパン師匠の弟子が来たらしい!」なんて噂まで広がった。
七海はただパンを頬張りながら、
「私?通りすがりのパン好きですから!」と笑顔で逃げていった。




