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三十九話 平凡

「ああー体が動かない、てか動かしたくない」



「動かないわけじゃないんだったら動かしてよ浅っち」



昨夜から始まったラウルの特訓、その内容が物質憑依がおもに占めるため、次の日の疲労が今までとはかなり違っていた。



「はあー、今日はもうダメだ・・・」



「秀、とりあえず生きろ」



「酷ぇ!」



(なんか、こんな会話が最近多いな・・・)









―レーガル城―



「ほれ、ガードが下がってるぞ」



「くっ・・・」



秀が今いるのはレーガル城内の訓練場で、一通りの仕事が終わってかラウルに呼ばれていたことに気がつき今にいたる。






「ほらほらどうした、物質憑依は形だけかよっ」



刀でラウルの攻撃を受けるが、壁に飛ばされてしまう。


さらに壁にぶつかると同時に物質憑依が解けてしまう。




「っ痛たたたた」



「おいおい、そんなもんかよ」



「物質憑依するだけで、かなり疲れるんだよ、その上でラウルと勝負なんてキツいって」



「文句を言うな、もし敵と戦ってるなら死んでるぞお前、ほら次行くぞ」



「ふー、しゃあ来い」




よっこらせと言わんばかりな立ち上がり、木刀を刀に変える。




(普通に物質憑依が出来るようになったか・・・相変わらず物質憑依の時間は短いがな)




「よし、ラスト一本だ気合い入れろよ」



ラウルもルーに物質憑依させて、秀の特訓が始まった。










秀が特訓をしているころ、宿屋では何やら蒼士が一人で深く溜め息を吐いていた。


蒼士の視線の先には洗濯物を干す石月がいた。


そんな蒼士に気が付き、声を掛けたのが、新藤だった。




「どうしたの蒼士君溜め息何か吐いちゃって」



「ん?ああ新藤か、まあいろいろとな・・・」



「ああ分かった、石月さんのことでしょ♪」



「っ!!」



両肩をビクッとさせたところを見ると、新藤の言ったことは当たりと見て間違いないだろう。




「うわー、分かりやす」



「う、うるさいな誰だって恋の悩み事はあるだろ」



「じゃあそんな蒼士君にいくつか質問します」




Q、石月さんと一緒に仕事をしてる時に積極的に話しかたりした


A、まあいちよ・・・


Q、元の世界では一緒に出かけたりしたの


A、二人っきりではないけど


Q、何か石月さんから相談事とか持ちかけられたことは


A、まあ何回かは


Q、それはプライベートのこと


A、・・・陸上のこと










「うーん、微妙だな」



「そんなこと言わずに何かアドバイス的なこと無いのかよ」



「そんなこと自分で何とかしてみようって気は無いの?」



「無いから聞いてんの」






少し考えた新道は蒼士に向かって言ったアドバイスは




「うーん、連君の西脇さんに対するアプローチを見習ったら」



「あれをですか・・・」



「あれをそっくりそのまましたら石月さんに引かれるよ」



「わかった参考程度にさしてもらうわ」




片手を振り蒼士はその場を後にした。



―その日の夜―



「あのー浅村君」



「ん、どうした石月?」



「さっきからなんだか新山君から結構な頻度で話しかけられるんだけど」



「いやいや、俺にどうしろと」



「いや別にどうかしてほしいわけじゃにんですけど」



「じゃあ別にいいじゃないか」


(いったい新山君はどうしたんでしょうか??)




どうやら蒼士の恋はまだ叶いそうにないようだった・・・






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