三十八話 犠牲
最近投稿しなかったから、ストックがめちゃくちゃたまりましたf^_^;
「サラ、何でこんなことをしたんだ」
「何でだろうね・・・あなたが危ないって思ったら体が勝手に動いちゃって」
サラが受けたキズもグレン同様酷いものだった。
「待ってろ、こんな奴すぐに倒して病院に連れていってやるから」
「ありがとう・・・でもちょっと疲れちゃった・・・少し寝かしてもらうねあなた・・・」
「サラ!・・・サラぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
立ち上がったラウルは持ってる槍でカースを突き飛ばした。
「てめぇだけは・・・てめぇだけは許さねぇ!!」
怒れる獅子のようにカースに突進して行ったが、人型のカースの力の差大きく、腕を捕まれ投げ飛ばされてしまった。
「くそっ、俺ごときじゃ何も出来ないのかよ!!」
「ら、ラウルちょっといいか・・・」
「グレン隊長、待っててください、すぐに倒してサラと一緒病院に行きましょう」
平気な顔をするが、カースとの力の差は歴然で、グレンもそれを分かっていて、驚きのことを口にした。
「ラウル・・・・・・俺のルーと精霊契約しろ・・・」
「ど、どういう意味ですか?」
「この危機を乗りきるにはもうこれしかない」
「でも精霊契約はちゃんとした手順をふまなきゃいけない」
「それに関しては大丈夫だ・・・っ、ラウル退け!!」
瀕死の状態のグレンはラウルの後ろにいたカースを紅蓮玉でぶっ飛ばしたが、直撃を受けても、カースには効いてなかった。
「分かったか、今の俺にはカースを倒すことが出来ないんだよ・・・だからお前はルーを契約してカースを倒せ!」
「・・・・・・分かりました、俺やります」
「よく言った・・・・・・行くぞラウル!」
震える手をラウルの肩に置き、グレンは炎神槍からルーを出して、ぶつぶつと何かを唱えた。
そしてグレンは唱え終わると、ゆっくりとその場で倒れた。
「・・・・・・ありがとうございました・・・グレン隊長」
その時は何で正式な手段を踏んでいないのに、自分が精霊契約をした状態になっていたかは分からなかった。
しかしあの時そんなこと考えてはいなかった、ただ槍を持ち、目の前にいるカースを倒すことだけを考えていたからだ。
「俺の炎の・・・塵になれ」
その戦いに有する時間はそんなにいらなかった、体が自然と動き、カースを圧倒している自分がいて、気付けば戦いが終わっていた。
――三日後――
「・・・・・・・・・・・・」
目の前にある二つの墓前、一つには尊敬していた隊長の名前が刻まれていて、もう一つには自分の最愛の人の名前が刻まれていた。
「・・・ママ・・・ママぁぁ」
「・・・・・悪かったラニア、もう帰ろうラニア」
あの事件から3日が過ぎ、レーガルの街も正常を取り戻していた。
街の人々も事件から立ち直り始めていて、子供たちには笑顔も戻っていた。
しかしラウルとラニアの時は止まったままでいた。
尊敬していた人と最愛の人を同時に失ってなかなか立ち直れないでいた。
立ち直れないのはラウルだけではなく、ラニアも立ち直れないでいたが、彼女の場合はラウルよりもひどく、その日からラニアはあまり笑わなくなった。
「とまぁ、こんな感じのことが昔あってな、時々ラニアは死んだサラのことを思い出して、意味不明な行動に出るんだ」
ラウルの過去を聞いた秀は黙るしかなかった。
「・・・・・・・」
「何黙ってるんだよ、お前らしくねえな」
「・・・・今の話を聞かされたら、そら黙りますって、ていうかよく過去のことを話せますね」
「過去を振り返ってもどうしようもねぇだろ」
「過去のことを振り返らないことに関しては僕も賛成ですけど・・・それはなかなか出来ないんですけどね」
過去を振りきることがどれだけ難しいかを秀は知っていた、知っていたからこそラニアの気持ちが今は少しだけ分かった気がした。
「だから俺はラニアが過去に打ち勝つまで、ラニアを全てから守ってやるって決めたんだ」
「ラウル・・・・・・」
「さて、暗い話しもここまでで、話題を変えるか」
「話題を?」
「お前が物質憑依出来るようになった話しとか」
「っ!!」
何故ラウルが知っているのかと思って聞いてみると、西脇からラニアへいきそしてラウルにいきわたったということらしい
「できるけど、物質憑依できる時間が短いいんだ、ていうかあの時間ではできてるとはとうてい言えねぇ」
「時間なんかは関係ない、とりあえずやってみろよ」
「俺に疲労困憊になれというのですか・・・」
いちよ抵抗の意思はみせるものの、ラウルのドスの効いたまなざしに、秀は仕方なく物質憑依をする準備に入った。
ゆっくり息をはく作業を何度も繰りかえし、自分の集中力を高めていく。
「ふーーー、いくぞシルフィー」
<あいあいあさー>
物質憑依は初めてやった時のように木刀は刀に変化していた。
「それがお前の物質憑依か」
「まあ、この状態が維持できればいいんですけどね」
「まあ今耐えれるかぎり、その状態を維持してみろ」
「悪魔か!!」
「何言ってるんだ、せっかく人が鍛えてやろうと思ったのに」
「えっ・・・」
「おい、気抜くなよ」
「・・・はい!」
今日からまた特訓が始まった日なった。




