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もしも最強の無法者が銀髪碧眼幼女になったら  作者: 東山スバル
第十三幕 諸戦争を終わらせる戦争へ──情報を制する者が欧州(セカイ)を制す

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D-Day

 それはすなわち、ジョン・プレイヤーが〝単騎〟でブリタニカ艦隊を殲滅している、というわけだ。

 アークはポカンと口を開けるも、彼もジョンの強さと末恐ろしさは良く知っている。ひとりで軍集団並みの戦力、という評価は眉唾でもなんでもない。


「ジョン中将を信じるしかない、か……」

「あの方が負けるはずないさ。その可能性があるのなら、JPSやおれたちギガバイトも動いてる。この作戦の指揮官は、他でもないジョン中将だからな」


 *


「宇宙空軍の衛星によれば、JPSを載せた第1艦隊はブリタニカの艦隊と対決した。そして結果はJPSの大勝利、だとさ。ルーシ」


 ポールモールは魔力濃度が強まり、通信が途切れるであろうギリギリの海で、JPSの快進撃を知った。


「よろしい。これで二正面は避けられた。リヒト、あとどれくらいでつく?」

 操縦者のリヒトは親指を上げる。「残り40分くらいだぜェ、社長ォ」

「なら、快適なフライトを楽しもうかね」

「代表取締役社長、いい加減詳細な作戦を教えてくれませんか? 私たちは文盲ではないので、簡素すぎる説明だとむしろ不安になります」

「あー、分かったよ」


 ルーシは紙の地図で、パリーナ区画のすぐ上に赤ペンでバツをつける。今、ルーシたちの輸送機はドーバー海峡の上にあり、残り40分くらいで着くのも納得できる。


「まず大前提として、我々はノルマニアに着陸する。この輸送機には500キログラムのナパームが載せられているから、もし上陸を邪魔立てするヤツがいるのなら、ナパームと私とオマエでソイツらを排除する。無事上陸できたら、ただちに現地住民の少数迫害種族と接触を図る。衛星の観測によれば、ノルマニアにはロスト・エンジェルスを目指す〝エルフ〟や獣人(けものびと)が推定3万人集まっているという。ソイツらは魔術で優れるため、武器を渡さずとも闘ってくれるだろう。生き残った暁には、ロスト・エンジェルスの市民権を渡すと交渉すれば、イチコロだよ」


 前世でのノルマンディーに、ルーシたちは上陸を考えていた。それはなにも、パリーナと距離が近いという理由だけではない。現地で兵士を調達するという狙いがあった。3万人に及ぶ迫害種族が一斉蜂起すれば、それだけで3個師団が生まれる。ロスト・エンジェルス連邦国防軍が、喉から手が出るほど欲しいであろう兵士が、である。


「異論は?」

「本当に3万人も集まっているんですか? ロスト・エンジェルスは〝ブリタニア〟のほうが近いのに」


 ガリア領ブリタニア、現代式に言い換えるとフランス・ブルターニュ。一番、大西洋及びロスト・エンジェルスに近い区域だ。主にここから、ロスト・エンジェルスはガリアより麦等の輸入をしていた。


「八千代、オマエらしくないな。ブリタニアは別の武人皇帝が握っている。ガリアが3つに分裂しているのなら、わざわざ西部ガリア政府と闘う必要もない。そんなことをしたら、参戦国家が3つに増えるぞ」

 ポールモールが付け加える。「それに、西部ガリアは唯一ロスト・エンジェルスに対して、強い悪感情を抱いていない。そんなのを刺激することはない。あとは、スパイがどれくらいノルマニアにエルフや獣人を始めとした、迫害種族を集められるかで決まる」

「そうだな。現在は3万人だが、これから更に増える可能性がある。そして、下手に少数種族を殺したら、全部台無しだ。ここは、元軍人のポールに空爆を一任した。リヒトは操縦者だから、私とオマエで上陸する……って算段さ」


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