第02話 魔王と謎の人物
遥か昔、魔王は人々から恐れられていた。
魔王と一口に言ってもいろいろなタイプがいる。
ある魔王は魔族を率いて軍隊を作り攻める。
知的な魔王もいれば、
ある魔王は仲間など要らないとでもいうように単身で敵陣に突っ込む脳筋もいる。
ある魔王は手を汚さないように別の物に殺らせる場合もあるようだ。
圧倒的な力を前にして敵わないと悟った人々は、封印することに決めた。
封印され力を失ったとしても伝承として、何世代にもわたり語り継がれる程だった。
『火を司る魔王』 イフリート
『水を司る魔王』 リバイア
『大地を司る魔王』 バラモン
『天空を司る魔王』 コキュートス
『重力を司る魔王』 クシャトリア
『大気を司る魔王』 クシャーナ
『時を司る魔王』 クロノス
『次元を司る魔王』 シュードラ
『生死を司る魔王』 ヘルヴェータ
『物質を司る魔王』 ヴァイシャ
まとめて、 『十の災害』
生きた時代、生きた年数は違えども今でも恐れられるほどの恐怖心を植え付けた。
しかし、つい最近魔王が封印から解かれた。
魔王の封印を解いた謎の人物は魔王に告げた。
『お前らには互いに争ってもらう。最後の一人になったものを真の魔王とする。そのために、準備として好きなものに憑依してこい。魔族、人間 動物などなど…憑依した状態でお互いに争ってもらい、真の魔王を決めたいとおもう。』
すぐさま魔王は行動に移した。
ある魔王は 力があるものに憑依し、
ある魔王は 知力があるもに憑依し、
ある魔王は 権力があるものに憑依したりした。
誰が、真の魔王になるのかでこの後の歴史が丸ごと変わる可能性もあるだろう。
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つまり、僕に他の9人の魔王を倒してほしいと?
『そういうことだ。』
できれば争いたくないけど…話し合いという方法はないの?
『真の魔王になるためには、1人にならないといけないし、他の魔王が襲ってきたら自衛しないとすぐ殺られちまうだろ。』
そりゃそうか…元々は戦い好きの魔王だもんな…
『協力してくれるか?』
もちろん。小説でよくあるパターンだもん!
『向こうの世界で何読んでるかは知らないけど…協力してくれるのはありがてぇ』
そういえば…僕は何で選ばれたの?
『異世界転移にか?』
うん。別に僕じゃなくても良かったんじゃと思ってね。
『たいした理由もない。ただ自我が強いやつに憑依したかっただけだよ。もし、自我が弱いやつに憑依するとその体ごと乗っ取れるが、体の方が魔王という強さに耐えかねてぶっ壊れる可能性もあるからな。自由は聞かないけど自我が強くて魔王の力に耐えられるやつが都合良かったんだよ。』
『まぁ、それでも自由の方がいいと考えるやつもいるけどな。』
教えてくれてありがとうな。シュー。
『シュー?なんだそれ?』
お前の名前がシュードラだから略してみた。
嫌だったらやめるけど?
『嫌じゃねぇよ。ただ、初めてだったからな、魔王にあだ名をつけるやつなんて。』
それじゃあ、まずは洞窟からでないとな。
『そうだな。行くか。えっーとお前の名前まだ聞いてないんだけど?』
僕の名前は朝霧 翠 普通に翠って呼んでよ。
『わかった翠。それじゃあ早速出発しようぜ!』
これから何が起こるのか期待に胸を膨らませながら僕は歩いた。




