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02:シークエル

 今日も今日とてアリアの部屋に入り浸る。


 相変わらず、ホント前世から変わらず実用一辺倒な部屋のレイアウト、もうちっと可愛げなり色気なりあっても良さそうなもんなんだが。いやま、私の部屋も似たようなもんだし強くは言わねーけど、それにしたって公爵家令嬢なんだからどうにかなんねーもんかね。

 アリアの実家の部屋も変わらねーレイアウトだったが、だったんだがこれはないよなぁ。先ず部屋のドアってか壁込みで内側金属加工ってどうよ?生半可な魔法じゃぶち抜けねぇぞこれ、家格的に襲われるかもしれんからって備えなんだろうがやりすぎじゃねーかな。

 あと無駄に広い、私の部屋確保してもまだ余ってる、ってか女子寮の一棟と同じ規模丸々ってどうなってやがる、寄付金か?寄付金にしたって広すぎんぞコレ。やっぱ親父さんがあんなだから入学にあたって建てたんだろうなぁ、えっれー子煩悩だったし。『娘が増えたよやったね!』とかはしゃぎやがったから思わず殴っちまったが生きてたな。更に『家族のスキンシップだよやっぱこうじゃなきゃ!』とか言われて気が遠くなったのから復帰したら血溜まりに沈んでた、あれ明らかに御袋さんがやったよな、血塗れのでけぇウォーハンマーもってたし、流石は公爵家ぶっ飛んでやがる。


 あのゲームの公爵家だったはずなんだがなぁ。

 あぁそう公爵家だ、悪役令嬢の実家だから公爵家で間違いねぇ。だってのになんであっこまで酷い有様になってんだよ、ゲームじゃもっと陰湿で冷酷なキャラしてたはずなんだがな、いや見た目はその通りなんだが中身が酷ぇ、ゲームでは死んでたはずのお袋さんは怖ぇけど。もしかして裏設定かなんかで勘違い属性でもあったのか、ありえそうだな結構酷い開発陣だったからな。

 けどなぁ、アリアが色々とやってそうなんだよな、こいつ頭良いけど頭おかしいし。いや百合趣味なお陰で同姓になっても恋人ってか婚約者…既に公爵家に嫁入りって狂った状況になれたけど、どう考えてもマトモじゃねーし。実際今だって…。


「なぁアリア」

「なんだ」

「いやさ、私ら恋人になったろ?夫婦だろ?なのに何でお前ガン無視して作業してんだよ、かまえよいちゃつこうぜ、あれだベッドでイチャラブするべきだろ。夜だけとかないわー、マグロじゃないだけましだけどないわー、ってか何で私がタチなんだよ!もっとがっつけよ熱くなれよ!それと乳枕を所望する!!」

「作業中だ」


 対応がコンクリすぎてキツイ。

 前世からこんなだけど、もっとあんだろよ。あーでも膝枕してくれたり、そのまま耳かきしてくれたりで言い感じだったなぁ、でもなんで横からじゃなくて前からむちましいフトモモの間に頭ってスタイルなんだ?いやま安定するんだろうが、こうアレだ、くんかくんか出来ないってか…待て私色々不味い、確かに百合カップルだが毒されすぎてる。

 それに素で乳枕とか言ってんじゃねぇか、気持ち良いしアリアの匂いを思いっきり味わえるから好きだけどかなり不味い、心の何かがおっきしそうなほど不味い。あれ?もし私が男ならってか付いてたらアリアのぽよんぽよんな胸をおっぱいダンスさせられたのか?うっわー、やっべーちょうやっべーまじやべー、どうにかしてできねぇかな…。

 そうじゃねぇ!思考トリップしてるがそうじゃねぇ!なんだよ悩んでんのにガン無視かこら、作業に没頭してんじゃねぇぞ構えよ。くっそう本気で作業中かよ、見向きもしねぇちらっとも視線よこさねぇよ。


「…いくらガサツだからってその態度は泣くぞ」

「この作業は仕事だ」

「え、何この倦怠期の夫婦みてぇの、ラブラブ恋人新婚期間どこいった。ってかそれ仕事なのかよ!?」

「ミミア、私の立場を考えろ」


 何を今更。


「趣味に生きる百合キチ」

「のついでに公爵家令嬢だ」

「ついでなのかよ」

「まあこれも趣味の範疇にあったのだが仕事になった」


 趣味は分かるが仕事なぁ。

 でもよ公爵令嬢で仕事がこれってろくなこっちゃねぇな。いちお聞いとくか。


「なぁお嬢様よぉ?」

「なんだ」

「それってどう見ても銃だよな、確かに使い勝手いいだろうがこっちじゃ魔法もあるし意味なくねぇか?レベルやスキル上げてりゃふつーに防げそうだしよ」

「確かにトリプルベース火薬に鉛の弾頭では防がれる。だが折角のファンタジー要素だ、改造するに決まってるだろう」

「…どんな?」

「炸薬に火の魔法加えバレルに風の魔法を刻み込んである、弾頭は各種魔法金属に相性の良い属性を付与。尤も手間をかけている関係で量産には苦労した。それでこれは狙撃用に新しく作っている試作型だ、開発局からせっつかれて作っている」


 また物騒な言葉が出やがったな。開発局?狙撃用?おい公爵領が世紀末になりかけてんぞどうなってんだこの王国、マジで潰れかねねぇぞ。

 そうかぁ私が色々戦闘チートになってっけどアリアは開発チートか、領地凄かったもんな景気やら街並みやら、ぶっちゃけ前世の街よか発展してて過ごしやすそうだったのは驚いたが。でもなぁ。


「魔改造ってレベルじゃねぇぞ!?…おい待て、今量産苦労したとか過去形で言いやがったな」

「ああ、量産は終わっている。公爵領軍の近代化と共にな」

「近代化?」


 街並みのことじゃねぇな、軍つってんし。


「陸軍と空海軍。陸の主力は戦車だ」

「戦車はやりすぎだろ!」

「馬が引く戦車があるのだから問題ないだろう。まあ第4世代戦車を超える性能になったのは笑ったが」

「どんな?」

「古代龍を一発でミンチに出来る威力の砲、うむ竜退治はもう飽きたと言わんばかりの砲だな、やはり変態国家日本で生まれたなら魔改造は必須だろう、魔法を使って改造、魔改「上手くねぇからな」機銃掃射も可能で装甲もカッチカチ、燃費もエコな上速度も上々余裕の馬力だ音が違う」


 気に入ったのは値段…じゃねぇ、性能ぶっ飛んでやがる。

 凄ぇな、ホント。この技術力ならバイクも作れそうだな、前世の愛車には申し訳ねぇが欲しくなる。けどなぁ王都周辺ってか公爵領じゃねぇと道悪ぃから走らせらんねぇか、折角広いんだからこぅなんてーかかっ飛ばしたくなるな、スピードの向こう側によっ!

 違ぇそうじゃねーし、聞いておかねーと。


「それ何に使うんだよ」

「…防衛、か?」

「どんぐらい作ったよ」

「諸々合わせて配属12万人の400両だと1機甲師団分くらいか」

「どこ滅ぼすんだ言ってみろ!!」

「…魔王領」

「既に私が滅ぼしたぞ」

「異世界」


 私の嫁がこんな好戦的なはずがない。


「規模がデカイ侵略戦争はやめろ!てーかよ補給もたねぇんじゃねか、航空戦力だって…ん?さっき空海軍言いやがったか?」

「主力が航空戦艦だ」

「またけったいなもん作りやがったな、まぁこっちじゃ使い勝手よさそうだけどよ。それにしたって補給できるとは思えねぇが」

「文字通り空を飛ぶ戦艦だが」

「そっちかよ!?」

「予定通りなら今日は艦隊演習だ」

「艦隊?」

「八八艦隊を目指して作ったからな。山本五十六ならぼくのかんがえたさいきょうのきどうかんたい、と言ってくれるに違いない、仕事がなければ総旗艦で指揮をとれたのだが」

「お前ばっかじゃねぇの?どんだけ軍備に金や人突っ込んでんだよ、領民足りてんの?陸軍12万とか言ってんけどそこらの貴族領の人口上回ってんじゃねぇか、その上艦隊とかどうなってやがる」

「空海軍の配属は10万だ。領民の総人口が400万で軍人が22万、5%強だと流石に多いか。まあ食料自給率で考えると2000万は養える領地だから問題はないはず、目指せ軍人1000万人計画」

「多すぎじゃねぇか…。ぶっちゃけ今でも王国の総人口の1/4が公爵領かよ、公国領名乗っても問題ねぇぞ」


 好戦的ってレベルを超越してやがる、なんだ私の嫁は覇王か。

 しっかし元が乙女ゲーとは思えないほどサツバツしてんなぁ、現実だからってここまで酷くはなんねぇと思いたい、思わせてくれ。兎に角戦争とか関係ねぇ所でやってて欲しいわ、政治とかめんどくせぇし。でもなぁアリアの妻になったしそうも言ってらんねぇか、色々とやらなきゃな、貴族になっちまったし。あれ?貴族ってーことは舞踏会とか茶会あんのか?貧困な私だとそれくらいしか思いつかねーけど、うっわー超めんどくせぇ。

 想像しててひたすら面倒になってきた、集まりとか行きたくねぇよ畜生が。結婚したってのに言い寄ってくる連中が多すぎてウゼェ、大々的に発表されたってのに告ってくるとか殴り殺したくなる。馬鹿王子なんざ求婚してくんくせにそこらの貴族女をやったら囲って愛人やらメイドやらにしてんからな、あの畜生ぶっころしてぇ。そんで親父さんに話したらかなーりブチギレてたなー、御袋さんはあらあらまあま言ってたけどウォーハンマーのグリップがみしぃって悲鳴あげてたし、マジおっかねぇ。なんかしら手を打つって話だからもちっとしたらマシになんのかね。


 …。


 おん?独特の3回ノックだから来客か。

 あーメイドさん可愛いな畜生め、私が着ても見てくれだけになっちまうし素直に羨ましい。アリアが着ると似合うんだよなぁ、クールメイドって感じで、徐々に頬を染めて乱れてくとかマジエロゲ。あれ?なんで私よりアリアがコスプレしてるんだよ、ふつー逆だろ、いや私じゃ似合わねぇのは分かってんけど…。

 良し決めた今日はチアコスにしよう、夜の運動会万歳。くっそう、私にナニ付いてりゃ騎乗位で応援が見れたのに、なんてこった。早めになんかしら考えねぇと。あ、バニーコスで手でうさ耳ポーズのぴょんぴょんも捨てがたい、あれは良いものだ。いや待てよ?連日似た様なのよか色々変えてった方がメリハリあるよな。そうだな、明日は風呂場で競泳水着にしよう。アリアの吸い付くような柔肌とスベスベな水着のコラボはありだな、妊娠させられるんならボテバラ競泳水着ってのが出来るのに。

 やべぇトリップしすぎた。メイドさん、来客だれよ?


「失礼します、姉上」

「依頼品はまだ出来ていない」

「弟君か、なんか用か?」


 弟君も変わったよなぁ、ゲームの面影なんぞ見てくれだけじゃねぇか。

 これもたぶんアリアがなんかしたんだろうな、だってどう考えても家族至上主義の姉崇拝になってんし。公爵領の魔改造具合からしてそれも仕方ねぇか、聞くだにやりすぎだからな。まぁでもアリアと結婚してから色々手助けしてくれてんし助かってんからな、出来るだけ私も力になってやっか、弟とか初めてだから結構嬉しいしよ。

 あ、なんかメイドさん達が袋担いできたけどそれが用件か?


「ええ、ミミア姉上。文官が7徹程度でくたばりやがったので蘇生を頼みに参りました」

「…文官が死ぬってなんだそりゃ」

「不甲斐ない限りです」

「蘇生か。活きの良い死体を作業台に乗せろ、手早く済ませる」

「そんな簡単に済むもんじゃねぇだろ、蘇生ってよ」

「それがそうでもないのです、ミミア姉上」

「マジか。アリアってあんま強かねぇけど細いの得意だよな、蘇生がそれに当てはまるか知らねーけど」


 作業台に乗せられる元文官、現活きの良い死体。

 うん、アリア、表現悪ぃよ。なんだ活きの良い死体って、どうみたってゾンビ映画やらゲームやらで路地に転がってる死体と変わんねぇぞ、どこに活き要素あんだよこれから埋葬しますって言われても納得の死体具合だ。

 これ蘇生かぁ、出来んのか?私は回復やらはさっぱりだからな、自分に使うことねぇし、ほぼ無敵だし。おぉうアリアなんか怪しげな機械もってきたな、コミカルでシュールな昭和っぽい機械…機械!?


「おい待てなんだその機械、蘇生だろ?魔法とか使うんじゃねぇのか!?」

「さあ…蘇るのだ、この電撃で」

「はぐあぁ!?」

「なんだこの死体はまだ生きてるじゃないか」

「ないわー…」


 ホントないわ、どこに魔法要素あったよ、なのに普通に生き返ったぞどうなってんだ。

 機械の方に魔法要素あんのか?あっても電撃では生き返らねぇよ謎過ぎる。流石はアリア開発チートが有頂天になってやがる、その暴走はとどまる事を知らない。


「蘇りましたか同士軍曹」

「は?…はっ!無事蘇生出来た様であります!」

「よろしい。では戻りますよ、仕事がたまっています」

「了解であります!」

「では姉上、ミミア姉上。これで失礼します」


 弟君も軍曹とやらもなんか慣れてんな。

 なんだ、これ公爵家では当たり前か、そっか当たり前か。


「あー、うん、なんだ。頑張れ弟君」

「精々頑張れ。唯一安らかなる日は」

「「過ぎ去った昨日のみ!」」

「良し、往け」

「「逝きます!!」」

「これは、ないわー…」


 いったいアリアは公爵領をどこに向かわせたいのか。

 なんだあいつ等マジで狂信者かよ目ぇいってたぞ、ただのかませ犬だったはずの悪役令嬢が色々とカリスマがぶっ飛んでやがる、あれか悪の帝王(笑)とかか、おじぎをしろとか言いださねぇだろうな。装備的に考えると宇宙であれなフォース万歳の方か?そんな気がしてきて背筋が寒ぃ。親父さんだったらはまり役だろうなぁ、見た目まんま悪役だし、でも乙女ゲー補正で線の細い悪役だがな。あー、結構良い感じだな、御袋さんの化粧をちょっと派手目にすればまんま悪の組織になんな、陰険な参謀は弟君でアリアは…マッドな科学者で良いな、実際今でもマッドな開発してんし。そうすっと私はなんだ?改造人間とか新人類とかそっち系か、変身セットとか欲しくなるな造ってくれっかな。

 おう、アリアを魔法少女っぽく変身させたくなってきた、趣味からして乗ってくるに違いない。触手は、水魔法で代用できそうだないけるいける、これは盛り上がってきました!そうなるともうちょっとしたら被告魔法少女罪状23歳ができるな、これは楽しみだ、恥らうアリアはご馳走でご褒美だぜ。あれ?触手が再現できるなら双頭バイブもいけっか?おぉう来たぜ来たぜ、これで散々っぱら犯れるな、私天才過ぎる!


「そろそろ時間か」

「なんだ、仕事終わったのか?」

「今日の分はな、魔法の定着は明日までかかる」

「おん?なら何が時間だってんだ?」

「テラスで茶にでもしよう、そろそろだからな」

「だから…あぁまー良いや、じゃあそうすっかよ」


 なんかイベントか?

 時間帯的に丁度茶にすんのは良いけど、テラスからの景観も良いし特に問題はねぇな。だが何かがひっかかんな、そう悪くはないが面倒になりそうなそんな悪寒、こう小骨が喉に引っかかったり葱が歯の間挟まったような地味に嫌な感じ。でもなぁアリアじゃそこまで酷くはならなそうなんだが、なるとは思えないが、でもなあ直感がガンガン警報鳴らしてんだよな。ちっしゃーねぇ、なる様にしかならねぇか。最悪私が突っ込めば蹴散らせんし。

 さーて気分変えてメイドさんの用意してくれた茶と菓子を楽しむかね。アリアに作って欲しいがあんまやんとメイドさん達が悲しむからなぁ、ほどほどで我慢すっか。


「相変わらず美味ぇな、やっぱメイドさんは偉大だ」

「もともと食にはうるさい領地だからな。代々の公爵家当主も投資を怠らなかったらしい、私も知識や知恵を惜しまず開発した」

「あぁそれでか、食と言えばバーベンベルク領って」

「衣食住足りてとあるがその通りだ。建国から一切反乱や蜂起が起きてないというのが証明だろう、これからもそう在りたいものだ」

「面白い話だよな、ホント。ゲームだとなんであーなったんだか、さっぱわかんねぇ」

「勝者の視点から見れば納得だろうな」

「あれか、歴史は勝者がってやつか」

「だろうな。主人公に都合よく事態が進みシンデレラストーリーよろしく悪役が転落し不幸に、そして自らは幸せになる、当たり障りのない話だ。王子ルートに後日談があれば公爵領は主人公の化粧領にでもなったのだろう」

「うへぇ、泥臭ぇ」

「ゲームだからな。早々と世知辛い話には出来ないだろう、現実逃避用や娯楽用の商売なのだから」

「夢も希望もねぇな」

「それに今は現実だ、あまり気にする必要もないだろう」

「だからってなぁ。未だに馬鹿王子やら馬鹿貴族が求婚してくるとか訳分からねぇよ、主人公補正があるとしか思えねぇな、あいつ等死ねば良いのに」

「なに、それももう少しすれば収まる」

「ホントかぁ?」

「それにだ。ミミアには主人公補正などなくても十分魅力的だ、なにせ私の初恋の人なのだから」

「…」


 あぁ畜生!なんでこんな風にさらっと言ってくれんだよ惚れ直しちまうだろうが!!

 ホントどうなってんだよこいつ、趣味がもちっとマトモならハーレム築いてたんじゃねぇか?なんだよイケメンは性格までイケメンってのはマジか、そのたわわに実ったぽよんぽよんおっぱい様は雄っぱいとでも言えってのか。

 駄目だ顔絶対赤くなってる、きっと耳まで真っ赤だ、顔すげえ熱ぃしよ。くそぅ普段鉄面皮なくせしてこんな時だけ笑顔か、微笑んでんのも可愛いし綺麗じゃねぇかなんだよそれホントに元男かコラ、絶対ぇ詐欺だろふざけんな。ちっ夜に散々可愛がってやる、バイブは水魔法の触覚でなんとかなんだろ、膣に感覚接続すりゃあ逝けそうだな。

 んでもってアリア…まだ微笑んでやがる、なんだよ恥ずいじゃねぇか、あんま見んな。あーやっぱ素直になりきれねーし。


「…ふん、面倒がなくなりゃ文句ねぇよ」

「まあ一つはそろそろ無くなるさ」

「あん?」


『ドワオ!!』


「は?」

「ふむん、時間通りとは良く訓練されているようだな」

「おいなんだ時間通りって!?」

「艦隊演習だ」

「演習っておま…」

「関係者以外退避は済んでいるし問題ない。『観測班、煙が晴れ次第状況知らせ』これで邪魔が一つ消えたな」

「え、なに言って」

「ミミア、そろそろ煙が晴れる良く見ると良い」

「いや説明しろって、いったい何が」


 煙晴れたらなにが分かるってんだよ。

 しっかし凄ぇ衝撃だったな、艦隊演習ってことは今のが主砲か?噴進音聞こえなかったから主砲なんだろうなぁ。公爵領からここまで届くのか、どんだけ離れてると思ってやがる、ってかピンポイントで狙いやがったかよ、私ら居るから確実にピンポイントだろうなぁ。

 あー晴れてきた晴れてきた…あ!?


「おい、なんだアレ!馬鹿王子の宮殿吹っ飛んだぞ!?」

「…一発だけなら、誤射かも、しれない」

「んなわけあるかボケ!!」


 うわぁあれ馬鹿王子と取り巻き死んだな。

 まぁビッチ共とかどーでも良いし死んで清々すんけど、それにしたってやり方が精密なんか雑なんか区別し辛ぇよ、なんだ主砲で吹っ飛ばすとか。おーおー盛大に燃えてんな、これが言ってた属性付与か、殺意満点にもほどがある。あー騒ぎが広がってる広がってる、騎士団総出っぽいな、そらそうか宮殿吹っ飛んで燃えてんし。これはマジで親父さんブチキレテたかぁ、そうだよなぁ相思相愛で結婚してんのにそれでも言い寄るとか舐めてるしなぁ、貴族おっかねぇ。てぇか国政に影響すんじゃねぇか?


「ふむ、良し。王子は死んだか、『後は陛下や閣僚に任せて引き上げろ、父上も明日には来るだろう』」

「なんだよ根回し済みか?それだったらこんなやり方しなくても」

「誤射だ」

「まだ言い張るかよ」

「ついでに示威行為だ」

「そっちが狙いだよな!?」

「これで馬鹿な行動をすれば天罰が下ると噂が広がるだろう、広げるのは公爵家諜報部だがな」

「マッチポンプじゃねぇか!」

「国は跡継ぎ問題が解決し発展が約束され、ミミアを巻き込んだ騒ぎも沈静化し公爵家の忠誠もそのまま、私達も煩わされる事もなくなり平穏そのもの。なにも、問題は、ない」

「いや、いくら私が言い寄られてたってここまでしねぇでもよ。やりすぎたとか罪悪感とかねぇの?」

「ミミアとの時間を邪魔されてムシャクシャしてやった、後悔も反省もしていない。なによりも私の恋人であり妻であるミミアを物の様に扱うなど許せん、それもハーレム要員や愛人などとぬかすとはな、死ねば良い死んで当然。拷問にもかけず一思いに誤射でしめやかに爆発四散させたのだ、感謝してほしいくらいだ。であって、そう、悪いのは奴等であって。私は、何も、悪くない」

「うわぁ…」


 ストレス、溜まってたんだなぁ。

 おい、私の嫁がストレスホッハで病み目になってんだがどうすれば良い。これは夜かなり頑張らないとどうなるかわかんねぇな。いや、忠誠やらなんやら言ってんしそこまで酷くはならないか。いったいいつからアリアはヤンデレになったよ、まさかやりすぎて頭のネジ飛んだか?ラブラブちゅっちゅがやりすぎて悪落ちとか笑えない、いやエロゲ的にはありなんだがリアルでこれはないわー。まだ大丈夫だよな?修正きくよな?そうだ幸せ過ぎれば早々暴れねぇだろ、回りもある程度ブッ殺しとけば程々のストレスで済むはず、切実に済んでくれ。


「そろそろ部屋に戻ろ、な?ほら粉塵もそうだけど盛大に燃えて煙もながれてきそだしな、な」

「ふははははは、科学の力は凄いな。見ろミミア、愛の艦砲による世界の目覚めだ。愛は人間に与えられた最大の武器であり人間の悪意たる暴力よりも強い力を持つ、だったな、まさにその言葉通り。私の愛は暴力には屈しない、断固たる決意でもってうっかり誤射したりやむを得ず誤爆したりと励むか、ビバLove&Peace」

「お前はガンジーに謝れ!あれは非暴力の話だろ馬鹿!ほら行くぞ、アリアお前疲れてんだよ、休もうな。大丈夫だ私が居るから、傍に居てやるから、だからマジ休んでくれ。後笑ってるつもりなんだろうが表情ビタ一変わってねぇから、もちっと普段から表情筋動かそうな、そのうち固まって動かなくなんぞ。あ、メイドさん、アリア休ませっから後よろしく。うん、そう休ませないとこれは不味い。いや、だってよこれ以上ほっといたら王都更地になりかねん。あーメイドさんもそう思ったか、だよなぁここまで壊れるとは予想外だよな。てぇ訳でよろしく。おい行くぞアリア!」


 …こいつ休めば戻るよな?




 拝啓前世と今世のかーさん。


 大好きな幼馴染で悪役令嬢な恋人がストレスのあまりぶっ壊れて病みました、私がなんとかしようと思うけど治ると良いな。

 色々と今後の事を考えると不安だけど、かーさんたちなら大丈夫って言ってくれると信じてます。

 これからもいっぱい心配させると思いますが、特に私達の世界征服が秒読み間近で待ったなしだけど大丈夫、かーさんたちの娘は軟ではありませんのでなぁなぁでいけるはずです。


 かーさんたちの娘、ミミアより。

連載分の掲載です。

特に内容は気にせず気楽に読んでいただけたのなら幸いです、自分でも書いててこれはどうなのだろうと思いましたがそのままです、殴り書きが妥当な評価かと。


のんびり続く。

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