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7歳児むちゃぶり王女とチート従者の俺  作者: ロミ
第1章 リサ王女誘拐編

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1/7

チート従者誕生

新連載始めました。よろしくお願いします。

 



「あなたに抑えつけられてた私だけど、立ち上がったの。覚悟を決めるのはもうこりごりだから、私はライオンの目を持っている。燃える炎の中を踊るファイター、私は吠える。ライオンより大きい声で、だって私は最強だから、私は吠える。私は吠えるよ。」


「ガ、ガ、ガオォ~!!!」



 ああ~、女神様。俺にこれをどおしろと…。








「おはよう。おはよう。起きて、お昼ですよ~」


 お日様の匂いがする、ふかふかの布団。

 肌をやさしくなでる、サラサラのシーツ。

 温かくて柔らかい毛布。

 窓から秋のやさしい風が吹き、白いカーテンを揺らす。

 バク胸盛盛美女にモテまくる最高の夢と、目覚ましに起こされない最高の昼寝を堪能していたのに、

「誰だよ起こすのは!」


「ハ~ィ。女神ちゃんです」


「・・・・。」


 ここは、俺が1人で住んでいる5階の1k社宅。


「わっ!誰、不審者?」

 俺は、窓際に毛布を掴んだまま後ずさった。


「やだな~。不審者だなんて、女神ちゃんだよ。君、昨日の夜、お酒飲みながらチートになりたいって愚痴ってたよね。だからチートにしてやんよ。

 ただし条件があるの、この世界じゃない異世界で、私の聖女ちゃんが困っているから助けてあげて。

 チートって言っても、私の聖女ちゃんの望みをかなえる為だけにしかチート使えないから、よろ♡

 私、世界にあんまり干渉できないんだよね。もう時間がないや、じゃ、送るよ」


「えい!」







ばい~ん。

ドスン。


「痛たたた。ここはどこだ?」突然身体が浮いたかと思ったら、落ちた。


 薄暗く、ホコリ臭い、12畳ほどの少し湿った空間。床は板張り、天井近くに格子の入った小さい窓が一つある。

 そう、入った事ないけど、まるで牢屋のよう。


 上下スウェット、手に毛布を持ったままの俺は、茫然と辺りを見回した。


「何がどうなってる?俺は自室にいたはず・・・。」


 周りをよく見ると、水の入っていなピッチャーと、欠けたコップが床に落ちている。

 いや、テーブルも椅子もないから、置いてあるのか。

 あるのは、部屋の端に汚れたおまると、白い塊だけ。


 白い塊?

 丸まっている白い塊はよく見ると人の形に見える。

 背を向けて丸まっている子供。


「え?何?人?子供?死んでる?生きてる?」


 俺はおそるおそる近づいた。


 近づくにつれ、便と尿の異臭がする。

 よく見ると、肩がかすかに動いている。

「息をしている!」


 俺は、すぐに近づき汚物まみれの子どもを抱き上げた。


「おい、大丈夫か、しっかりしろ。おい、息をしろ、目を開けろ」


 俺の問いかけに、子供はかすかに目を開けて、

「・・・水。ちょうだい」


「お、お、わかった。水だな」


 感覚でわかる。俺の中のチートが叫んでいる。

 水の成り立ちを、水の出し方を、水の保管を、この子に必要な水の量を。


 俺は、すぐさまピッチャーに水を注ぎ、ピッチャーを綺麗に高圧洗浄。

 欠けてるコップは、時間を戻して元通りに、コップとピッチャーに水を注ぎ子供の口元に持っていった。


「さあ、水だ。飲め、ゆっくり飲め」


ごきゅ、ごきゅ、ごきゅ、ごきゅ、げほげほげほ。

 子供はコップから勢いよく水を飲んでむせた。


 水を飲んだ子供は、俺の腕の中で寝息をたてて眠ってしまった。


「どうなってるんだ…」

 いろいろ問いただしたいが、今はそんな事してられない。

 まずは、子供だ。


 汚物まみれの子どもは、たぶん7歳ぐらいの女の子。

 このままにはしておけない。

 俺は、女の子の服を脱がせ、俺も上下スウェットを脱いで、女の子を御姫様抱っこしたまま水シャワーを作って浴びた。

「冷てー、お湯にできないのかよ」

 俺はチートだが、お湯にできない。子供が望まなかったからだ。


 素早く、下のスウェットで女の子の体を拭いて、上のスウェットを女の子に被せた。

 俺が持って来た毛布に、女の子を包んで保温。


「これでひとまず良いか」


すーぴー。すーぴー。

 女の子は寝息を立てている。


 水で洗った女の子の髪は白く、おかっぱ頭。肌も白く、やややせ気味。目を開けたとき見た瞳は水色だった。綺麗な顔をしたホラー映画ミーガ〇を幼くしたような女の子。




「さて、どうしよう」

 パンツ一丁の俺は仁王立ちで部屋を見回した。


 ここが、どんな建物で、何階で、周りがどうなっているのかなんてわからない。が、とにかくここから出ることが肝心だと俺の心配性が叫んでいる。

 幸い、天井の小窓側は外。

 さっき、ピッチャーを高圧洗浄できたんだから、水の高圧ウォータージェットで壁削れるんじゃいかと考えた。


がざがざがざがざざがざがざがざがざがざ

 凄い勢い、凄い音、凄い水しぶきで壁が削れていく。

 壁の泥と水はねで、パンツ一丁の俺は全身水浸しだが、そんなの関係ねえ。

 誰かが来たってかまわない。俺はチート、その方が好都合。おっぱっぴー。

 異世界ハイの俺はひたすら壁を削った。


 女の子が閉じ込められていた壁に、人が通れるほどの穴をあける事に成功した。



 俺は、濡れてる下のスウェットを履いて上半身裸のまま、寝ている女の子を毛布ごと抱えた。空いた穴から脱出。幸いにも部屋は、1階だったらしく、地上に降り立ち、すぐさまその場を離れた。


 人目の付かない、茂みに身を隠し辺りを見回す。

 人の気配はない。脱出した建物は造りは古いが、森の中に建っているお城のようだった。


 俺は女の子をおんぶして、ひたすら道にそって歩く。

「足の裏痛い。靴とかないのかよ」


ごそごそごそ

 女の子が背中で動いた。

「おお、起きたか?」

 俺は一旦、女の子を地面に降ろした。


「ここ何処?」

 女の子はキョロキョロ辺りを見回している。


「ここは、君が閉じ込められたとこから歩いて30分ぐらいの所だ。場所はわからない」


「あなたが、女神様が言ってた、私のチート従者?」


「・・・。そのようだ」


「「・・・・。」」かすかな沈黙。



バッチーン‼

 女の子からの強烈ビンタ。


「遅い、何してたのよ。私、死にかけたじゃない、え~ん」

 女の子はギャン泣きしている。


 女の子はひとしきり泣いた後、目を真っ赤にしたまま

「それで、あなた名前は、何が出来るの」

 上から目線で聞いてきた。


「まずは、お礼だろ。聖女さま」


 女の子はキョトンとした表情のまま

「従者にお礼なんて言わないわ。これはあなたの仕事であり、使命。

 私が上に立つものとして、立派に国を繁栄させれる大人になるよう、サポートするんでしょ」


「・・・。何なのお前」


「私は、マッカーサー王国第5王女。リサ・マッカーサー。将来この国を背負って立つ女よ」

 リサ王女は鼻の穴を膨らまし、小胸を張っている。


「お前、人生2回目なの、絶対1回目じゃないね」


「何いってるの?それであなたの名前は?何ができるの?」


「俺の名前は、木村恒星、27歳会社員だ。正直、自分でも何ができるのかわからないが、お前が言う事なら、だいたいできる気がする」


「お前じゃないわ、リサ王女よ。そう、恒星、じゃあマッカーサー城まで最短距離で私を連れてって」


「はい、はい、仰せのままにリサ王女さま」



 さて、さて、リサ王女さまからのご要望。

 俺のチートが叫んでる。

 空を飛ぶか。スポーツカーを作って爆走か。

 だが、今俺は上半身裸、裸足。まず、服と靴が欲しい。

 飛んだら靴はいらない。スポーツカーなら服はいらない。チートが不必要と判断した物は出せないだろう。

 だったら・・・。





「キャッキャ!楽しい!もっとジャンプ。もっと遠くに。あっちの屋根まで飛ぼう。今度はあの木の上まで、キャッキャ!」

 俺はチートで跳ねて帰る事にした。無事に靴と、上着をゲット。

 リサ王女をおんぶして、忍者のように、忍者より力強く、マッカーサー国のレンガ造りの家、2件飛ばしで屋根から屋根へジャンプ。ジャ~ンプ。



 俺達は、日が山に沈みかけた頃、マッカーサー城の3階のベランダに降り立った。


 リサ王女が、俺の上スエットを着たまま、背に夕日を受けつつ、ベランダに面した窓ガラスを思いっきり開けはなった。

 中には大勢の大人たちが居る。会議をしていたようだ。


「今帰った。次期女王リサ・マッカーサーだ」










挿絵(By みてみん)

白河・DG・夜舟様より頂きました。

ジャ~ンプとリサ王女帰還



数ある小説の中から、この作品に辿り着いていただき、ありがとうございます。

無茶ぶり女王の要望を従者がどう解釈し、どう捌いていくのか、楽しんでいただけると幸いです。

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― 新着の感想 ―
俺が女神様に突然そんなこと言われたら、絶対ベットでひっくり返ると思う。 なぜ主人公が最初パンイチだったのだろう。
 ロミさん、こんにちは。 「7歳児むちゃぶり王女とチート従者の俺 チート従者誕生」拝読致しました。  なんか言ってるよ?  どうしろと?  折角の休日。昼まで寝てるつもりだったのに。  女神ち…
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