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記憶
『愛しているわ』——彼女は言っていた。
『愛しているよ』——彼も言っていた。
赤の炎の中、彼女はそれを唐突に思い出す。知っているのだ。私は愛されている。
私は彼等に誰よりも、愛されているのだ。
だから熱かった。熱いのだ。
体を包もうとしているこの炎が、あまりにも熱い。
愛の力で、熱い。
ほら、もうすぐ赤の炎が私達に辿り着く。愛が私にたどり着く。
赤い。熱い。赤い。熱い。赤い。熱い。赤い。熱い。——熱い。
少女はそこにたった一人で立っていた。
——愛しています。
愛しています。私も愛しているのです。ねぇ、母上、父上。だから、私は決心したのです。
貴方達が『 』にならないように、私はこの世界で生き抜きましょう。
さようなら、母上、父上。
永遠に。




