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120/121

112C その後、僕らはこのシェルターで暮らす事になった。

ここは、食料や水やその他諸々を、オブジェがその辺の石や砂やらの原子を魔法で弄って、変換して出力してくれるのだ。未来文明様様である。


その内、人間の生体も出力可能らしく、出力して貰い、僕と嫁達も修行をして、何とか嫁達の魂を僕の体から、オブジェが出力してくれた肉体に映す事が出来た。


以来、ずっと、4人でこのシェルターで生活している。


その後百数年は生活していたが、その後も、この世界で他の人間が居る形跡は見つからなかった。


オブジェの機能のお陰で、寿命という概念も克服している僕らは、以前の夢での生活の様に愛を育み、そして、子を成す事が出来た。


今じゃ、千尋ちゃんの子が5人、千歳ちゃんの子が7人、ソルフィちゃんの子が4人居る。


「お父さん、お父さん、遊んでよ!」


「お父さん!遊ぼう、昨日お母さんとやってたみたいに遊ぼうよ!」


きゃいきゃい愛娘達が僕にじゃれつく。昨日、お母さんとやっていた・・・とは?


「お母さんと、裸んぼで遊んでいたでしょ?、あれやってよ~」


愛娘達の言葉に吹き出してしまう。


「ほらほら、みんな、それは、もっと大きくなってからだよ、だめだめ」


「そうですよ、・・・まったく情操教育失敗ですかね~、早いですって」


「いや・・・早いとかいう以前に、僕ら親子だしね・・・」


「・・・思ったのですけど、私達以外人間が生存して居ないのに、この子らが然るべき行為をするのは、一体誰になるんでしょうね?お兄様」


末恐ろしい事を言うソルフィちゃん。


「うーむ・・・将来の事は将来に考えよう、恐ろしい気がするし」


「ソルフィは誰であっても、常にお兄様に一番愛して貰える存在になる事は諦めませんからね?」


最早、モラルも何も無い。人類が僕らしか居ない以上、モラルを決めるのは僕らだ。


実際、近親相姦による遺伝子的リスクは全てオブジェが何とかしてくれるだろう。


最近は、施設の外の砂漠の魔力瘴気を緩めつつ、その環境でも成長する植物を植え、少しずつ環境を人間が住める場所にする様努力している。


この子らが将来生きる世界が、この施設の中だけで完結するのは、あまりに不憫だと思ったからだ。僕が、以前魔王退治の為旅して世界中を回った様に、子供達にも世界を回って欲しいのだが・・・


「お父さん!ちゅっちゅっ!ちゅっちゅっ!!」


「こらこら、唇をほっぺにくっつけるのやめなさい!」


「えっへへ~、お父さん、だぁい好きぃ~」


どうも、我が子らは僕に懐き過ぎで、親離れして、この外の世界を必要とするのか、疑問に思う所はある。


「あー、こらぁ!それは、夫婦がやるものなんですよ、めっ!」


千歳ちゃんが、娘達から僕を剥ぎ取る。千尋ちゃんとソルフィちゃんも、僕の左右に立ち、娘達から僕を守る様に威嚇する。


「お母さん達、いんちきだよ!お父さんは、わたしのものなのに!」


「何をおっしゃってるの!お兄様はソルフィの大切な旦那様ですわ!色気づいて、男を誘惑するには貴女達には、まだまだ早いです!」


「いんちき!いんちき!いんちき!いんちき!」


「もう!みんな!お兄ちゃんが困っているでしょう!お兄ちゃん困らせないでよ!」


「わたしがお父さんのお嫁さんになるよ!お母さんはじゃま!」


「「「なんですって!」」」


親子間でばちばちと火花を散らす嫁と子供達。


各自、剣や弓や鎌やらその他諸々の武具を取り出し、いつもの親子喧嘩が始まろうとしている。


100年以上前は、僕の夢の世界の中で、狭いアパートで何百年何千年と新婚生活をしていたのが、もう遠い昔の様だ、少し前の事なのに。


幸せな夢から目覚めてしまったが、これからもまた幸せな日々は続いていくのだろう。


そう、確信して、僕はこの幸せがもう少し末長く続いてくれる事を祈って、いつもの親子喧嘩の仲裁をする事にした。

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