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101/121

101A.「僕が、叫んだ途端、目の前に光りがぱぁと広がった。」

千歳ちゃんと千尋ちゃんは、僕から吹っ飛ばされていた。


そして、僕の手には、剣。さっき、ソルフィちゃんが僕にもたせた剣が握り締められている。


「こ、これは・・・?」


僕は困惑した。まるで、僕が拒絶の意思を発したから、二人は吹っ飛んだように見えたからだ。


「ここは、お兄様の夢の中です。だから、お二人の事以外は全てお兄様の思い通りなんですよ。ご自分が勇者である事を思い出したから、勇者の魔力が自然と発揮しているのです。」


いつの間にか、ソルフィちゃんが、僕の傍におり、僕の腕を掴む。


「・・・・・・・お兄ちゃん・・・どうして?、どうして、私の事、吹き飛ばすの?お兄ちゃん・・・」


「・・・お兄さん、私達、婚約も約束した仲じゃないですか・・・ねぇ・・・」


千歳ちゃんと千尋ちゃんが起き上がって、僕を悲しい目で見ている。


「・・・・・・・ごめんな、千尋ちゃん、千歳ちゃん・・・・・・」


二人は、僕を愛してくれている。それは痛い程分かっている。でも、僕の中の封印である二人と、生きていて、そして僕を助けてくれて頼っているソルフィちゃんの事を考えれば、ソルフィちゃんの傍に居てやらないといけないと思う。


「・・・・・・お兄ちゃん!嫌だ!お兄ちゃんは、絶対、私とずっと一緒に居るんだから、居るんだから!!」


「・・・そんな、魔族の女に、お兄さんは渡しません!渡すもんですか!!」


二人は、武具を携えて、僕に突進してくる。


その対象は、僕であり、そして、ソルフィちゃんだった。


ソルフィちゃんは、血塗れの腕を震わせながら、鎌を握り締め、僕の前に立ち、二人に立ち向かおうとする。


千尋ちゃんと千歳ちゃんの、気迫は無数の傷を感じさせないものであり、ソルフィちゃんは、痛む傷を抑えながらという風で覇気に欠けていた。


次、瞬きする瞬間には、ソルフィちゃんが、二人に斬り捨てられているだろうという事は、一瞬の一時だったが、瞬時に分った。


そう考えた瞬間、僕はソルフィちゃんを、僕の後ろに放り、そして、剣を抜いたかと思うと、振っていた。


その斬り応えはまったくなく、何も無い空気中に棒を振ったかの様に、千尋ちゃんと千歳ちゃんの内臓や骨を切断し、二人の体を両断した。


「あ・・・?」「え・・・?」


二人の困惑した声が聞こえ、そして、二人と視線が合う。まだ、二人の上半身は空中に滞空しており、血液もまだ、まだまだ、もう一瞬二瞬もすれば噴出すだろうが、まだ、出血していない。


僕の可愛い妹達・・・そして、婚約者・・・、その二人が、当然に生きていた状態から、瀕死になるまでの瞬間がゆっくりとゆっくりと流れて、そして、時間はすぐに元の速さを取り戻した。



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