みなさん!カン違いしてますけど
「光陽?」
「ん?」
パンくんに呼ばれて目が覚めた光陽
「なに、ボーっとしてんの」
「いや・べつに…」
「あの子、1組の下駄箱の所から出て来たよな?」
「ああ…」
「あんな子、1組にいたかなぁ?」
「…」
「でもさ、おまえの探していた子、ちょっと変わってたけど、可愛いかったな!」
「そうか?」
「まさか…さっきの子に、告られたとか?」
「な、わけねぇだろ…」
「まじに?…オレタイプかも、あ〜ゆ〜ドジなところも含めて」
「ふッ・確かに…ドジっぽい…」
ふたりは小声で話していたが・・
「コーヨー?」
「?」
前の席で、後ろ向きになって座っているパンダ(竹山笹男)が、コーヨーの後ろを指差しながら
「すず!・・」
光陽の後ろに立って、彼の髪で遊び始めた彼女は星野 鈴だった。
「ねぇコーヨー?探していた子、見つかったの?」
「お前には関係ない…」
「彼女のあたしに隠しごと?」
「いつ彼女になった?」
「全然その気無しかよ!…ふん!」
「あたりまえ!」
「くうッ!・・まさか光陽?あなた、告ったとか?」
「うぜえ、告ったとか!告られたとか!どうでもいいだろ、そ〜ゆ〜ふざけた話じゃね〜んだよ!まじな話だ…世話になったお礼をすんだよ!」
「まじ!?例の復讐?」
「バカか?話にならない…」
ふたりはお互いに背中を向けてしまった。
「話にならない!…どっちが!?バカ!…」
あたしの気持ちも少しはわかってよ・・・
光陽とは中学の時から一緒で、最初、彼はクラスで浮いた存在で、いつもひとりでぽつんとしてた。
ハーフだから、外人に見えたり、目つきが悪くて不良に見られてたんだ。
だから、誰も近寄らなかった。
こわいけど、イケメンだからあたし、彼に憧れていたんだ。
夏休みに彼と同じ金髪にして、カラコン、ピアスにネックレス…頑張ったんだけどなぁ
最初に声をかけた時はほとんど無視状態…
でも、彼、ほんとはすごく優しい一面があってね、ある時、偶然街で彼を見かけたんだ。
小さな女の子が横断歩道で泣きそうになってたの、渡るタイミングがわからなくてかな?
そのときたまたま通りかかった彼は、見かねて手を引いてあげて、無事その子を渡らせてあげた。
でも、彼が行く方向と反対側だったの
また戻ろうとしてたけれど彼、なかなか渡れなくて、その姿を見た時、あたし…
もう胸がド・キュン堕ちた。
1年後に告ったけど…また、落ちた。
でも、あのときの彼を見てから、一緒にいられるだけでもいいなって思ったんだ
片思いでもいい、そばにいられればね…
「あれ?…光陽は?」
すずが振り返って探したが、光陽の姿はなかった。
「1組に行くって、出て行った…」
「こうよう…」
1年1組ーー
「ちょっと?凛子、アレ!」
千夏が指をさしたほうをみると、男子生徒が、1人で廊下から1組の教室の中を見ていた。
「コーヨーくんだ!」
「例の人探し?」
他の女子達も彼に気がついて、クラスの中が騒めきだした。
『 あの子5組の… 』
『 コーヨーくんだ! 』
『 おお!いま、目があっちゃったぁ、睨まれた…でも、かっこいい~ 』
『 なにしてるんだろ? 』
『 あれじゃないの?ほら、例の噂の人探し、復讐相手の…』
『 えッ!その話、本当だったの?やだぁ、こわーい…』
女子達の話声が聞こえたのか、光陽くんは廊下の窓際へ移動してしまった。
「あ~あ、見えなくなっちゃった」
「みんな知ってたんだ、人探しのこと」
「うん、彼って存在感神的だから、それに、なんだかんだ言って、みんな彼のこと気になってるみたい、だってイケメンの最終進化形だから…」
そこまでいうか…
確かに美形は認めるが…
「そっか!ちょうど彼1人だけだし・・よし!あたし、行ってくる!」
「ちょっと凛子!」
凛子は、1人でコーヨーくんのいる廊下へ行ってしまった。
「マ・マジに協力するつもり?
あたし、し~らない!」
廊下へ出た凛子は、少しずつ彼に近づいた。
そして
手が届きそうになった時、つま先だちになり、フラフラしながら、彼の肩をチョンチョンと軽く叩いた。
「あ!あのッ・・私、1組の相原凛子といいます!」
「だから何?」
上から目線で睨み返す光陽
「ヒィ~…」
コワ・・けど・・近くでみると、より、カッコイイ!・・・
「あ、あ、あの、ふ、ふ、ふくしうの件で、ごそうだんを・・」
コワいのと緊張のせいで、ろれつが回らない凛子
「復讐?って!お前もか!
誰も復讐なんて言ってない、俺はただ・・
あーちゃんの・・?
…
なんで俺がこの話を・おまえに!・」
「え?違うの?・・」
「おまえには関係ない!」
「ヒィ!・・ご、ごめんなさ・い」
光陽の凄みに、凛子はもう耐えきれず、後ずさりしながら、教室へ戻ろうとしていた。
すると
「おい!」
「は、はい?」
なに、なに?な、なんですか・×・×・
「相原って言ったっけ?」
「はっ!はい!凛子ですぅ」
「下まで聞いてねぇし…」
ジロッと睨まれながら・・
「わッ!、わややや・・×・×」
うッ・・コワッ・…顏が近いッ!はぁ~ん、こ・・コワカッコイイ…
「このクラスに…だんごちゃん…」
「だんご?」
「いや…つきみ?いたら呼んで来てくれない?」
「つきみ?…・・え?…あのもう一度、いいですか?」
「つきみだよ!つきみだんごの、つきみ!」
「は、はいっ!つきみだんごのつきみ・・」
え!!!?
「つきみって・・あの?」
「いるんだろ?・・ここ、1組に」
「あ・・いえ・はい、もちろんいらっしゃいますです・・(汗)・ちょっと待ってて下さいね、す、すぐ、呼んでまいりま~~すッ!」
凛子は何回か振り返り、光陽に微笑んだ後、頭をひねりながら、1組の教室の中へしぶしぶ戻っていった。




