ふたつの太陽
まだ数人しか来ていない、朝の教室へ飛び込んだ。
一瞬、クラスメイトは私のほうを振り向いたけれど、すぐ自分達の話に戻ってしまう、よほど関心がないのだろう。
私はいつものように席に着いて、手提げから本を取り出したが、その間もまだ 胸がドキドキとうったえている。
何もない日々を過ごしてきた私にとって、普通の人から見れば大したことのないようなことも、大事件なのだから…
周りの人から見れば、いつもと変わりない私、ただの存在感のない空気みたいな
でも、私の胸の鼓動はなかなかおさまらない
授業中も今朝の事ばかり考えてしまって、
『 おまえ、団子だろ?…』
…
よく考えてみたら私…
学校でこんなにも、人とお話ししたことがあっただろうか?、しかも男子と…
それも、学年一派手な有名人と絡んだ自分が
今でも信じられない。
誰かに相談したくても、相談相手すらいない
こんな時、どうしたらいいのだろう。
5組––––
あの団子みたいな名前に、人差し指に巻いてあったテープ・・・
間違いないよな・・・あ~ちゃん…
10年前––––
ガキの頃・・
『 おい!あいつ宇宙人だから近寄るな!』
『 みんなが言ってた、さわったらエイリアンになっちゃうんだって~!・』
この髪と目の色のせいで、仲間はずれにされてたんだ。
いつも帰って、母親に…
なんで、ママは黒い目なのに僕のは青いの?
髪の毛も、なんで黄色いの?
もう、ヤダーッ!・・なんで?・・
でも
あ~ちゃんは帰えっても母親がいない、
働いているから帰るのが遅くて、俺もバイトしてるし
ひとりぼっちなんだ。
この前・・
あ~ちゃんが泥だらけになり、ノートも破かれて帰って来たことがあった。
ひじやひざに擦り傷をいっぱい作って、泣きながら・・
まるで、あの時の俺と一緒だ
見た目で偏見しやがって!
『 バケモノ! 』?
同じ人間なのに・・・
つい最近、急にあ~ちゃんが明るくなって、笑顔が!
お友達が出来たって聞いて、すっげー喜んじゃって
だから俺も一緒に、あ~ちゃん!
良かったな!って言ってあげて、自分のことのようにすげー嬉しかった。
どんな友達?って聞いたら
‘まろんすけとつきみだよ‘
マロン…
つきみ?
お菓子に団子?
『 あと、これ 、はってもらったの 』
ひざに絆創膏がはってあった
綺麗な水玉模様の・・・・
そのテープがやけに気に入ったらしく
家にあるテープじゃ嫌だって、クシャクシャになっても剥がさないし・・
そしたら昨日・・
一緒に風呂に入った時、あ~ちゃん、お風呂場でそのテープを剥がしてた。
『あれ?それ剥がしていいのか?・・だんごのやつ・・ 』
て聞いたら
『 ふふふッいいんだよ』
風呂から上がったら、真っ先にひざのキズを自分で消毒して
『 ポンポンしないとダメなんだよ! 』
『 ふ~ん、あ~ちゃんえらいじゃん! 』
『 つきみに教えてもらった・・ 』
『ふ~ん 』
だんごにもらった新しいテープを嬉しそうに貼ってた…
今度はイチゴの模様のやつを・・




