第一話
今回は、城東拓己視点です
あれから、一か月・・・誤解などは解けてはれて虎太郎と友達になったが・・・
「城東拓巳君。君を退学にしまう」
・・・え?
いつも通りの日々を送っていた俺に突然の退学処分
嘘だ・・・と叫びたかったけど、いつも通りが駄目だった
だって、ケンカ、ケンカ、ケンカ、ケンカ時々、ナンパなどの完全に不良の生活を送っていた
しかも、なんどか警察を呼ぶことになって、それとも意見がぶつかりケンカになったし・・・
「わかりました。じゃあ、実家に帰ります」
「いや、待ちたまえ」
「え?」
退学処分になった俺に何か用があるのか?この人・・・
「実はな、君を転入させたいという校長がいるんだ」
「あ~~、断っといてください。俺、高校生活疲れましたので」
実際のところ、体力だけは取り柄だから、体力のいるバイトをしながら就活をすれば、何とかなるだろう
「君のお父さんが、転入させてくれって言っているんだが・・・」
「・・・親父が?」
めずらしい、あの親父が俺の危機に駆けつけてくれるとは・・・隠しているのに
「だから、来月の・・・ちょうど四月だね、4月の6日からそこの学校に通ってくれ」
静かにプリントを渡してきた
・・へえ、俺の実家から結構近いところか
なら、どっか借りないといけないな
待てよ・・・
「ここの寮っていつまでですか?」
「いや、君はここの学校は退学なので寮はもう使えない」
「じゃあ、どうすれば・・・」
「・・・・・」
静かに、校長は茶をすする
あとは、自分で何とかしろってことか
「わかりました。今までありがとうございました」
一応、お辞儀をして礼を言う
なんだかんだでこの人も俺のことよく庇ってくれた
だからこそ、礼を言っておく
そして、俺はこの男子校を出た
【空外駅】
「あ~~~やっぱ地元が一番かもな」
久々に地元に帰った俺は、軽く体を伸ばす
なにせ、ここに帰ってきたのは、4年ぶりくらいだ。中学のころにあっちに送られたからな
さて・・・俺の残り代金、30万円・・・どこ借りようかな?
できれば、学校に近い方がいいんだけど・・・
そう考えている時だった
「泥棒~~~!!!」
――――ブゥゥーーン
こっちにバイクが向かってくる
・・・泥棒?
―――――ドッガ!!
「あ・・・・っが・・・」
反応が遅れた!!
俺の体はバイクと衝突し・・・吹っ飛ばされ、壁にぶつかった
・・・っち!!帰ってすぐこれかよ!!
俺はすぐに立ち上がり、バイクを見る
俺にぶつかったせいか、こけていてバイクを捨てて走っている
ラッキー!!
俺は走り出した途端、体に異変を感じた
どうやら、右腕が折れてしまっているようだ
・・・まあ、バイクにはねられて腕一本だったら大丈夫なほうか
そう思い長ながら俺を跳ね飛ばした、やつに追いつき
「待て!!」
左手で、肩を掴んだ
「ッヒ!!バケモノ!!」
「だれが!!バケモノだ!!」
そう言いながら、得意技のかかと落し
見事にその技がきまり、強盗犯は地面とキスをして、気絶した
その瞬間・・・痛みが走ってきた
「ウガア!!イ、いてぇ・・・」
「だ、大丈夫ですか?」
女の子が近いよって来た
そして、なぜか俺の足に力がはいらなくなって行き・・・最終的には倒れた
「え・・え・・・?どうして、どうしてぇーーー!!?」
「あ~~すまねえけど、タクシーかなにか呼んでくれ。歩けねえ」
「わ、わかりました!あ!!いいところに・・」
どうやら、見つけてくれたようだ・・・あ、やばい。気が遠くなって・・・
「おい・・・どういうことになっているんだ?これは・・・」
「先生!!実は・・・」
【???】
「あ・・・」
「気が付いた!!」
・・・ああ、そうだ。気絶したんだっけな俺・・・
なさけねえ
「ここどこだ?」
そう聞きながら、俺は右手で布団を押しのける
・・・あれ?なにかおかしくないか?
「ここは、天神学園の保健室」
「天神学園・・・ああ、俺が転入するはずの場所か」
俺は自分のカバンを探しだし、プリントを見て確認した
右手の人差し指でゆっくりと確認していく・・・うん、やっぱりそうだ
そして、またなにかひかっかった
「へぇ、転入生なんだ。めずらしいね」
「まあな」
「じゃあ、話してもいいかな」
「何をだ?」
「あ、やっぱり気づいてなかったんだ。右手」
「右手・・?」
右手がどうかしたのか?
右手が・・・右手が・・・
「そういや、折れてなかったけ?俺の右腕」
「うん、ばっちし右腕複雑骨折で本来ならもう戻らないほどの怪我なんだけど」
「なんで俺、右手が使えるんだ?」
右腕が折れているなら右手が使えないはずなのに・・・
「魔法で治してもらったよ」
「魔法?・・・そうか、魔法か」
そうだな、魔法なら治せるな・・・って
「治るか!!!」
「きゃ!」
「おかしいだろ、今の世で魔法なんて」
魔法なんてファンタジーなのは子供のころに卒業した
「え?ええ?この学園の転入生なんだよね?」
「ああ、間違いない」
「おかしいな?この学園じゃ魔法使えるのは普通なのに・・・」
どんな普通だよ
「おお、気が付いたか」
「先生」
保健室のドアの方からスーツを着ている先生が入ってきた
誰だ?この人・・・
「先生。ちょっと聞いてください」
「なんだ?」
「この人、この学園に転入してきたのに、魔法知らないんです」
「転入?聞いてないぞ?」
おいおいおいおい、わけのわからないことになってきたぞ
「校長に聞いてくれないか?俺もちょっと混乱してきた」
「そうだな・・・でも、その前に・・・」
「?」
「マジックバイス」
スーツを着た先生の手から光が現れて、何かの魔法陣を描きだした
そして、それから野球ボールみたいなデカさの物体が現れて・・・
―――ゴン!!
「ベッフ!!」
俺に思いっきり当たり、また布団に倒れた
そして、変な声が出た
「ベッフ」ってなんだよ「ベッフ」って
そう思いながら体を起こそうとすると・・・
「あれ?」
起き上がれない・・・なぜだ?
「ちょっと、そのままで寝ててくれ」
「おい!何をするつもりだ!」
「ああ?確認すんだよ。シードかを」
シード?しーど・・・seed?
種?どういうことだ?
そう思い考えている時だった
―――ビリッ!!
オレノフクヲコノキョウシガヒキサイタ
・・・ぎゃああああああ!!!!!
俺は思わずこの教師をぶっ飛ばした!
―――パン!
「ッグ!!何を・・・」
「うるせえ!!この変態!!」
俺は引き裂かれた服で胸を隠しながら言った
・・・いや、ホモとかそう言うのじゃないけど、なんか知らない間に隠していた
「おいおい、背中見るだけだぞ?」
「なんで!!前から!!見る!!!」
「見たいからだ!!!」
うわ・・・堂々と変態発言したぞこの人・・・
「死ね!!!」
――――ドガ!!
発するとともに蹴り飛ばしたっが・・・
「ふっ!甘いな・・・」
「まだまだ!!!」
蹴りを簡単に受け止められた。こんなことは久しぶりだ。強い・・そんなことを考えながら反対側の足でまた蹴った
――――ドッガ!!!
「ヘッブ!!!」
「へ?」
今度も受けとめられると思ったから加減はなしで蹴った
そしてら、いつも通り・・・気絶してしまった
どうやら、あごに当たったみたいだ
「・・・どうすんだ?これ・・・」
「先生・・・」
「!!」
しまった、近くには助けてくれた女性がいるのに思いっきり先生倒したぞ?
いつものパターンなら叫ぶか、泣くか・・・そんなところだろ
そう思っている時だった
――――パ~~~ポ~~~ン!!!
放送?それにしては、変な音だ
そう思っている時だ・・・目の前の景色が変わって行った
保健室の部屋の色は白だったのに・・・どんどん変わっていく
なんだなんだ!!
「・・・ラッキー!!」
変態教師が復活した
まるで、ゾンビのようによみがえり・・・
「くらえ!マジックバイス!!」
また、呪文みたいなことを言い出した
こんどは、光の色が違っていた、さっきは白に近い黄色だったのに、今は完全な紫色だ
クソ!魔法陣が終わる前に逃げないと・・・と、考えていたが数秒で魔法陣は完成して紫の光は俺の体に縄のように巻きついた
「クソ!!放せ!!」
「無駄無駄・・・さて・・・こんどこそ、ちゃんと見せてもらうぞ・・・」
「やめてくれ!!!!」
――――ブッチ!!
火事場の馬鹿力なのかな・・・簡単に縄を引きちぎることができた
「何!?」
「おらあああああ!!!!!!」
勝った!!この距離なら、殴ってほうが速いはずだ!!
勝利に確信を得た俺であったが・・・
「マジックバイス!!」
別の方から声が聞こえた。その方向は助けてくれた女性の方ではなく、ドアの方であった