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死にたくないので自分達だけの第三勢力作りました。  作者: 鬼獣八紅
第七章 アンデッドと魔法の根幹
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死後

三人称視点です。


 時間はオウル死亡直後まで遡る。


《…ここは?》 


 意識の戻ったオウルのいた空間は真っ暗だった。そして光があちこちに点在している。

 そもそもこの空間にオウルは見覚えがあった。


《…私が死んだ地下空間?ということは…、やっぱり、私の死体がある…》


 場所は相変わらずの地下空間で、足元にはオウルの首なし死体が転がっていた。

 

《ん?死体…、え!何で死体が足元にあるの?!てか私の体透けてる?!》


 よく見るとオウルの身体は透けており、さらには地面から浮いている。


《死んだら人って幽霊になるんだ》


 オウルは呑気にそんな感想を抱いた。まあ、死後どうなるのかなんて普通知らないのでこんな感想が出てくるのも無理はない。


《おい、新入りが来たぞ!》

《久々の新入りだ!》


 すると、オウルに光が近づく。遠くてよくわからなかったが、光は人の形をしていた。


《あなた達は…、魔法少女!》


 しかも近づいてきた魔法少女はとても多く、大まかに数えても数百人は超えている。


《新入り、さっきの戦いすごかったな。まあ最後は無様だったけどな》

《無様って…、そもそもあなたたちは何者でここは何なんですか?》

《そうえば説明してなかったな。私たちは地縛霊みたいなもんだ。そしてここは東地下魔道墓地、監獄みたいなとこだ》


 東地下魔道墓地、ここには魔法少女連盟がかばいきれないレベルの犯罪、被害をだした魔法少女が人知れず収監される。

 収監された者のデータはすべて削除され、始めからいなかった扱いとなる。


《早い話、魔法少女連盟のごみ箱だな》

《…あんたたち何やらかしたの?》


 オウルの警戒心が強まる。ここに地縛霊として存在している時点で何かしらやらかしていることは明白だ。


《何って、戦闘に人を巻き込みすぎただけだが。あいつらが射線上にいたのが悪いってのに》

《は?》


 オウルは理解できなかった。言葉通りなら、この地縛霊はかなりの民間人を戦いの流れ弾で殺害したことになる。その上で射線上にいた方が悪いと反省の色もない。

 確かに地縛霊のしたことを裁く法律は存在しない。戦闘の余波による殺人や器物破損も、魔法少女が全力を出せずに負けては困ると国が黙認している。その上、近年の悪の組織の活性化に伴い『怪人との戦闘時、魔法少女は殺人罪、器物破損等の法律が適応されない』という法案が大真面目に議論されているくらいだ。

 そのため、地縛霊のしてきた行為は一般的には問題ない。しかし、両親を流れ弾で殺されたオウルの地雷を的確に踏み抜いた。


《けど普通に悪いことして入れられたヤツもいるぞ。確か一般人を悪の組織に仕立て上げたり金巻き上げた…》

《黙れ》


 オウルの言葉が響き渡り、辺りが静寂に包まれる。


《そんなことで、お父さんとお母さんは殺されたって言うの?》

《…なに、私のやったことが悪いって言いたいわけ?》

《生意気ね、こいつもリンチにしない?》

《さんせ~、あいつらに殺された腹いせにちょうどいいし~》

《あいつら?》

《下のアンデッドよ》


 地縛霊はライズと召を指さす。


《魔法も使えない一般人が入ってきてね。そして私たちの行いを聞いたらいきなり私たちに説教してきたのよ。生意気だから少し懲らしめたらなんか勝手に死にかけるし。そしたら今度は骸骨呼び出してここにいる全員皆殺しにしたってわけ》

《…そう、それなら躊躇無くつぶせる》

《ハハハ、私たちが近づくだけで体調崩すような雑魚に何が『グサッ』》


 そう言い終える前に、オウルから伸びた棘が地縛霊を貫いた。

 

《あ…ぁ…》


 貫かれた地縛霊は棘に吸収されるように消滅する。


《私の魔法は生命魔法。これまでは肉体にしか作用しなかった。けれど、死んで魂を認識した今なら…》

《に、逃げ…》

《寿命を奪う要領であなたたちの魂のエネルギーを奪える》


 そうしてオウルは次々に地縛霊を串刺しにし吸収する。逃げ出す者もいるが棘を伸ばして的確に仕留める。

 そして吸収する度にオウルの魂の存在感が増大していく。

 

《ひ、怯むな!相手はたったの一人だぞ!》


 中には恐れずにオウルへ向かってくる者もいる。


《はぁ、魂に作用できる魔法を持つ私に、ただの地縛霊が勝てるわけないでしょ》


 しかし、今のオウルにとっては有効打になり得ない。ダメージ事態は通っているが、吸収したエネルギーにより即座に回復する。

 そして、ものの数分で全ての地縛霊を吸収しつくした。


《まさか私の魔法が魂にも作用するとはね。それと召さんについても多少の情報がわかった》


 地縛霊の言っていた一般人とはおそらく召の事だ。しかも魔法少女の行いを怒れる善人であったことも伺える。

 しかし、オウル達と対峙した時には既に魔法少女に対する不信感が天元突破していたので会話すら出来なかった。


《ライズさんが何かした?けれど何かしたら召さんもっと反抗してるはずだし…ん?》


 何気なくオウルが下を見ると、ライズがオウルの死体を足元へ移動させていた。


《召さんを助けようとしてる?だとしたら何かしたわけでもなさそう。とにかく今は兄さんを助けないと》


 そうして現世へ声を届けようと喉に力を込める。


《その必要はないよ》


 声が届いたのか驚き二人の動きが止まる。

 そしてライズの前に移動し…。


《さっきの棘の要領で…、魂粘土(ソウルクレイ)!》

「がっ?!」


 魂を鞭のように変形させおもいっきり殴り付けた。

 ライズはそれにより後方へ弾かれる。


《よし、肉体がなくても魂で攻撃は当たる!それより早く復活しないと!》


 そうしてオウルは自身の肉体へと入っていく。


《(肉塊粘土(ミートクレイ)で首と胴体を結合、そして並列して魂粘土(ソウルクレイ)で魂と肉体も結合して…、できた!)ふぅ、あんま時間たってないのに自分の体に懐かしさすら感じるよ」

 

 オウルの体が起き上がり、盾を構えてライズと相対する。


「環、お前…死んだはずしゃ…」

「心配させてごめん兄さん。さあ、ここから反撃だよ!」


 聖魔連合副連合長、オウルが再び現世へと降り立った。


 


 


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