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大日本リーグ-大連戦記-  作者: 沼田政信
シーズン150試合
68/188

1点の攻防 風雲渦巻く

[ホーム]広島

6楚英仁

4東江

9井尾

5トレンシー

3黒原

7岩持

8丸井

2石浜

1深井


[ビジター]大連

8星渡(4-2)

7アンジェロ(4-1)

6棚橋(4-1)

9林(2-1)-水内

5パウロ(3-1)

4近堂(3-0)-森茂(1-0)

3柳中平(4-1)

2清水(3-0)-金重男(1-0)

1松浦(2-0)-李春稀(1-0)-伊東-野藤-黄直哉-折口(1-0)


大 000 100 010 2 松浦(6-2)-伊東(1)-●野藤(1/3-1)-黄直哉(2/3)

広 000 110 01- 3 深井-青井-○シュルト-Sサーフェイト


 大連は2年目の松浦、広島は新人の深井という若手投手同士の対決となった。また、広島出身の松浦にとっては凱旋登板でもある。両投手は期待通りの投げあいを見せて日曜日、新広島市民球場に詰め掛けた3万の野球ファンを沸かせた。


 初回、やや硬くなっていた松浦がツーアウト三塁のピンチを招いたが4番トレンシーから三振を奪って終わらせた。深井は適度な荒れ球が効果的で大連打線に的を絞らせなかったが4回、パウロに投じたスライダーを力でレフトスタンドまで持っていかれて失点。しかし直後の4回裏、一死後に井尾がサード内野安打で出塁するとトレンシーが左中間へ二塁打を放って同点に追いつく。さらに5回、キャッチャー石浜がホームラン。このキャッチャー、打撃に定評のある選手ではないが意外な場面で存在感を発揮する。


 深井は7回をパウロのホームランによる1失点に抑え、勝利投手の権利を持って降板。しかし救援陣がリードを守りきれない。8回、広島は左サイドスローの青井を繰り出したがいきなり左打者の星渡にヒットを打たれる。続くアンジェロからは三振を奪ったが棚橋にセンター前ヒット、林には四球を与えて満塁にしてしまう。ここでピッチャーをシュルトに交代した。しかし相変わらずシュルトは球威に欠けており、パウロにはあわやレフトオーバーの犠牲フライを打たれる。これで同点となったが続く近堂をショートゴロに抑えて逆転は許さなかった。


 8回裏、大連は3番手に野藤を起用。今季は状態の良い野藤だが今日はいまひとつ。先頭打者として代打で登場したベテラン王忠徳に四球を選ばれる。もっとも王忠徳は今季の出塁率が5割を超えるという凄まじさなので仕方ないともいえる。トップに戻って楚英仁はセカンドの頭上を越えるポテンヒット。東江の送りバントでワンナウト一三塁としたところで大連はピッチャーを右サイドスローの黄直哉に交代。


 迎えるのは右打者の井尾。井尾は黄の独特の軌道を描くストレートに食らいついて何球かファールとした。そして6球目、外角へのスライダーを投じたところ見事に振りぬかれた。勝ち越しのレフト前ヒット。これが決勝点となる、まさに勝利を呼び込む執念の一打だった。続くトレンシーは黄が力を見せてダブルプレーに打ち取った。


 9回はロケットのようなストレートを投げる新外国人サーフェイトが登板。とにかく力で押しまくるピッチングで柳中平を三振、清水の代打金重男をセカンドフライ、そしてピッチャーの代打折口を空振り三振に仕留めてゲームセット。激しい嵐のようなピッチングで試合を締めくくった。大連の通算成績はこれで24勝15敗6分となった。

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