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王立騎士団 捜査機密資料:乙種第13号

件名: 第一王女エルフレーデ(17)及び第二王女リネット(12)失踪に伴う現場検証報告

作成者: 聖騎士団 鑑識魔導官 ヴァルガス

現場: 王都北西「指切りの森」外縁部


1. 現場の「静止」に関する記録

現場に到着した際、護衛騎士3名および騎馬4頭は、戦闘の形跡なく「直立」した状態で発見された。

状態: 全員の眼球が、瞬きを忘れたかのように見開かれ、乾燥して白濁している。


異常: 騎士たちの耳腔および鼻腔から、「琥珀色に凝固した未知の液体」が溢れ出していた。この液体は凝固する際、周囲の空気を吸い込み、微かな「子供のすすり泣き」に似た音を発し続けている。


2. 遺留品「青い紐」の物理的特性

馬車の車輪、および騎士たちの「薬指」にのみ巻き付けられていた青い紐について。


材質: 絹や麻ではない。鑑識の結果、それは「高度に乾燥させ、青く染色された人間の視神経」である可能性が浮上した。


反応: 紐の結び目に熱を近づけると、紐全体が「苦痛に悶えるように」緩やかにのたうち回る。現在、物理的な接触は凍結魔法による封印下でのみ許可されている。


3. 「傘を差した影」の目撃証言

霧の中で目撃された不審者に関する、検問所門番の供述。


供述: 「その者は雨も降っていないのに、黒い皮のような傘を差していた。顔は見えなかったが、傘を持つ手が……関節の数が、我々より一つ多いように見えた。 傘を回すたびに、周囲の霧が『青く』染まっていくのが分かった」


足跡: 現場の泥土に残された足跡は、右と左が交互ではなく、「左右が完全に重なった一本の線」として森の奥へ続いていた。


4. 妹王女の「話す人形」の音声記録

現場から回収された、第二王女リネット所有の魔導人形の録音機能より。

(※通常は王女の声を模倣するはずだが、回収時は「老人のしわがれた声」に変質していた)


「……皮が足りない。姉様の指が、三本足りない。……冷たくして、結びましょう。……腐らぬうちに、青く、青く」


5. 第一王女の座席に残された「異物」

第一王女が座っていたクッションの上に、「精巧に作られた陶器製の目玉」が二つ、並べて置かれていた。


追記: この義眼の光彩模様は、「失踪した第一王女エルフレーデの瞳」と寸分違わず一致している。鑑識官がこの義眼を手に取った際、義眼の奥から「助けて」という振動(骨伝導)を感じたとの報告あり。


備考:

現在、現場から北へ3キロ地点にある「古い解剖学者の隠れ家」から、青い煙が立ち上っているのを確認。


煙の臭気は、死臭ではなく、「大量の百合の花を煮詰めたような、甘ったるい芳香」である。


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