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魔皇になったとだけ言われ、女…もとい司祭さんに引っ張られていく。
「おい、どこに連れてく気なんだよ?」
「あなたのご自宅に決まっているでしょう?」
「え?てかわかんのか?」
「ええ…
あなたの事は以前から調べていましたからね」
「マジかよ…」
前から調べてた?俺に気づかれず?どうやって?
まさかストーカーしてたとかか?
怖すぎだろ。
そんなこんなで家に帰ってきたのだが。
「なあ、司祭さんよ」
「何でしょう?」
「あんたは自分の家に帰らないのかい?」
「はい。詳しい事を言うつもりはありませんけどね」
「そうか…
てか、俺本当に魔皇になったのか?」
「もちろんです。
何でしたら、試してみましょうか?」
「え?」
試す、ってどうやって?
そう思った直後、司祭さんがめちゃくちゃ派手な術を放ってきた。
そして俺は、結界でそれを見事に防いでいた。
「…!?」
防ごうと意識した訳ではない。
それどころか攻撃に気づくのすら遅れた。
なのに、体が自然に動いて攻撃をガードしていた。
「どういう事だ?俺は何も…」
「これが魔皇の…あなたの力です。
私と同等、あるいはそれ以上の実力があります」
「すげえや…
で、俺はこの力で何をすればいいんだ?」
「異人同士の争いや、特定の異人が企てる陰謀を阻止し、世界の秩序を保って欲しいのです」
「異人の争い?陰謀?
そんなの、本当に俺なんかに止められるのか?」
「その力を見てもまだ信じられないのですか?
私もお手伝いしますので、どうかお願いします」
司祭さんに頭を下げられてしまった。
「…わかった、わかったよ」
そして、とりあえず夕食だけ済ませて寝る事にした。
司祭さんは、空いてる所に術でベッドを作り出して、ここで寝ると言った。