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幼馴染ともう一度  作者: BUG
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初美

 すみません、なんだかんだで1か月空けてしまいました。

 毎日、少しずつ加筆していった結果ではありますが、文字数にこだわらずに、投稿間隔を詰めた方がよかったかな?

 やはり文也には、前2回のループと同じく、父親が四六時中張り付くことになったようだ。当然、英治や俺と遊ぶことはなくなり、文也が出る野球の試合を見に行った時に一言二言かわす程度になってしまった。英治は例のうわさ話のこともあって文也に同情的だったが、真相を知っている俺は文也を庇う気にはなれなかったので、何度か英治と喧嘩になることもあったが、以前ほど酷いことはされなかった。京子の存在もあるが、俺との関係を悪化させれば、雪姉達との勉強会が続けられなくなると思ったのだろう。


 「アタシにしたら、教えるばかりで自分の勉強にならないんだけど?」

 「雪姉って、教え方上手いから、将来は先生になれるんじゃないの? だとしたら、俺に教えるのは、いい練習になると思うよ?」

 「英治君は確かに手がかかるから、それはある意味間違いじゃないけど・・・」

 「だろ? だったらもっと俺にいろいろ教えてよ。」


 結局、由美乃が自宅に戻って以降も、雪姉の家に集まる形で勉強会は続けられた。そのまま夏休みに入ると、雪姉の家にはクーラーがないため、前回のループと同じように、由美乃の家の休憩室で勉強会をすることになった。栄治にしてみたら、いくら雪姉と一緒でも、夏の暑さに耐えながら勉強するというのはさすがに無理なようなので、俺が由美乃に工場の休憩室を借りられないか、と話したのだ。これまでのループだったら、栄治と一緒というだけで断られていたかもしれないが、由美乃の母親は、先日栄治と話をしてからは、むしろ好意的になっていたから、従業員の仕事が終わる5時以降なら良いと言ってもらえたのだ。


 「そう言えば、俺、文也と遊んでいた時でも、家の中に入ったことはなかったな。」


 そりゃ、お前がすぐに手を出すから出入り禁止にされてたんだろ、と言いかけたが、ここで水を差すようなことを言う必要もないと、思いとどまった。確かに、もともとの俺が小学生の時にも、文也の家に入ったのは俺だけで、栄治と一緒の時はそんなことは一度もなかった。今思えば、俺の知らないところで、栄治本人にそのこと(出禁)が伝えられていたのかもしれないな。


 しばらくすると、勉強会の件を母親伝手で聞いた健太と妹の弥生ちゃん、そして、初美から勉強会に参加したいという申し出があった。健太兄妹は前回のループと同じだから不思議には思わなかったが、初美がそう言ってきたのが意外だった。前回のループでは、京子に遠慮して参加していなかったからだ。


 「はっちゃんが参加するのはいいとしても、京ちゃんとかさっちゃんも来るなら、ちょっと人数が多くなりすぎるような・・・」

 「栄治君がいるから、京ちゃんは来ないって言ってたよ。」

 「さっちゃんは?」

 「夏休みは田舎のおばあちゃんのところに行くから、参加できないって。」


 そう言えば、前回のループでは健太達と合流したのは11月頃だったが、今はまだ8月と歴史が(と言うには大袈裟かもしれないが)大きく変わってしまっている。こうなったのは明らかに栄治の影響だが、このことによって今後の展開がどう変わっていくのか、まったくわからなくなった。


     *     *


 健太兄妹と初美が勉強会に合流する初日の朝、俺の家には京子が来ていた。こう言うと、特別な何かがある様な感じだが、京子と俺は以前からお互いの家を頻繁に行き来していたので、夏休みなら特段珍しい光景ではないのだ。もともとの俺自身も、中学校に進学した頃まではこんな感じだった。


 「まーくん、工場に行く前に、私に勉強を教えてよ。」


 京子は栄治を嫌っているので、勉強会自体には参加するつもりはないが、初美には後れを取りたくないようで、俺に家庭教師をしろと言うのだ。だが、京子はあまり成績が良くなく、1回目のループで勉強を教えた時も、前の学年の範囲に遡らないと難しく、それが嫌で長続きしなかったという前科がある。とは言っても、今の京子自身が経験したわけではないから、決めつけるのも良くないんだろうけど。


 「別に構わないけど、途中で投げ出さないでくれよな? それと、できるなら、俺たち2人だけでやってることは黙っていてくれよな。」

 「・・・わかった、頑張るよ。」


 おそらく、栄治がいなければ勉強会に参加したんだろうけど、京子の場合、それだとおそらく集中できないはずなので、個別指導は最善の手段だと思う。だが、このことを由美乃はもちろん、初美に知られるのは何かマズイ気がした。

 だが、母親同士の話からそのことを知った初美が、勉強会の最中、俺に耳打ちしてきた。


 「京ちゃんにやってること、私にもしてくれない?」


 その言葉を聞いた俺の顔が真っ赤になったことは自分でもよく分かった。由美乃のことが好きなことに偽りはないのだが、もともとの俺は初美のことも気になっていたし、大学時代に一時的とは言え付き合ったこともあるのだ。まだ小3とは言え、そんな初美の言葉に俺はひどく動揺させられた。


 「まー兄、顔が赤いよ? はっちゃんに何か言われた?」

 「い、いや、別に何でもないよ。今日も暑いからねぇ・・・」


 誤魔化しきれたとは思えないが、その場はとりあえず収まった。


 翌日の朝から、京子の勉強が終わった後で、初美に個別に教えることになった。初美は京子と一緒でも良いと言ってくれたが、京子が拒否したのだ。京子は2人だけの時間を邪魔されたくないと言ってたが、俺と初美が2人だけになることには抵抗を示さなかった。まあ、変に修羅場になっても困るから、それならと、俺も応じたわけだ。

 そう言えば、もともとの俺を含めてこれまで3回の人生で、小学生時代の初美と2人きりになるのは初めてだった。これまでは、初美から家庭教師の話が来たのは中学生になってからで、それも中学の勉強についていけなくなったことが理由だったから、小3の初美が自身の成績を理由に個別指導を求めて来たわけではないことは明らかだ。実際、京子が意識するほど成績に差がなかったという訳じゃない。京子が1年以上遅れているのに対し、初美は俺が教える必要がないくらい優秀だった。


 「はっちゃんは成績良いみたいだから、俺が教えることはあまりないみたいだけど・・・」

 「まーくんって、将来、京ちゃんと結婚するの?」

 「・・・何をいきなり?」

 「京ちゃんがいつも言ってるけど、コンヤクしてるって本当なの?」

 「うーん・・・ 確かに俺がそれらしいことを幼稚園の頃に言ってたらしいけど、それだけだよ?」

 「親同士で決めてたとか?」

 「いや、それはないよ。」

 「じゃあ、遠慮しなくてもいいわね。」

 「えっ? 何の話?」

 「ゴメン、気にしなくていいわよ。」


 今の俺が言うのも変かもしれないが、今の初美はなんか小3とは思えない妖しさがある。だが、俺はそれが彼女の本質なんだろうと深くは考えなかった。もともとの俺が初美を異性として意識したのは俺が中1の頃、つまり今から2年後だし、今の俺は由美乃を好きだという自覚があるから、初美に気持ちが傾くことはあり得ないと思っていた。


 「それで、はっちゃんは俺にどうしろって?」

 「どうしろって・・・ 勉強を見てくれるんでしょ?」

 「俺が教えることはあまりないって言ったよね? 今だって、京ちゃんの話で、手が動いていないし・・・」

 「まーくん、見当違いだったり、間違っていたらそう言ってね。あなた、今、()()()なの?」

 「はい・・・?」


 俺は初美が何を言ってるのか、まったくわからなかった。


 「もう一度言おうか? まーくん、今のあなたは()()()なの?」

 「答える必要はないわ。さっきと同じように、すっとぼけてなさい!」


 理解が追い付かず呆然としている俺の中で、例の声が響いた。


 「へっ!?」


 変な声が出てしまったが、それが功を奏したようだ。


 「あれれ? 見当外れだったかな? まーくん、変なこと言ってゴメンね。」

 「あ、ああ・・・」


 その日の初美は、俺と2人でいた時も、夕方の勉強会の時も、夏休みの宿題を黙々とこなし、俺とは会話をしなかった。由美乃の勉強を見ていた時に、ちらっと様子を伺っていたくらいだった。


 「どうして初美にバレているんだよ?」

 「どうやら彼女もループしているみたいね?」


 例の声がそう言ってきたが、だとすれば、別に初美をループさせている誰かがいるということだ。


 「多分、貴方の行動が彼女の前回の時のそれと違っていたから、自分と同じようにループしているんだと思ったみたいね。彼女の目的がわからないけど、貴方は貴方の目的のために行動していればいいのよ。前回みたく、間違えたらダメよ!」


 その通りなのだが、初美がこれであきらめるとは思えないのだが・・・

 初美が実は雅哉と同様にタイムリープしていることがわかりましたが、謎の声の主もそれを知らなかったようです。とぼけている可能性もなくはないのですが・・・

 初美の目的が気になりますが、自分の目的を間違わないようにしようと、あらためて決意する雅哉ですが・・・

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