81 自在の魔術師③
ランスが血の剣を手に立ち上がる。
だがその背中には翼はない。
もしかしたら剣を構築するのが精一杯なのかもしれない。
立っているだけでフラフラしている。
とても戦えるような状態じゃない。
まあ俺にとっては有利だが。
その時、ランスがボソッと口を開いた。
「…スキル『暴走化』発動」
ランスのからだが赤く光る。
そして動き出すと同時に後ろに回り込まれた。
振り返ると俺は右手に岩の盾を出現させランスの剣を受け止める。
ランスはそのまま剣を盾に押し込んでいった。
俺は耐え切れずに一歩後ろに下がる。
すると俺の下に黒い円が浮かび上がり俺を飲み込んでいった。
これは…
《魔術『完全掌握』が解除されました》
ちぇっ…
俺はスキル『攻撃無効化』発動した。
闇の沼がパリンとガラスのように割れる。
俺は足の裏から岩と氷のブレードを地面を通してランスの真下から出す。
だがランスは宙返りをしながら剣で攻撃を受け流した。
ランスは宙に浮いた状態で翼を出現させると上空に羽ばたく。
そして俺に『闇の弓矢』を放った。
俺は『自由飛行』で浮かび上がりかわすが俺を複数の魔法陣が囲む。
スキル『攻撃無効化』発動。
俺がこのスキルを発動するとすべての魔法陣がパリンと割れた。
俺はランスにむかって飛翔する。
女神(仮)、『攻撃不能』の解除は可能か?
《はい。可能ですが少々時間がかかります》
どれくらいだ?
《10分ほどです》
了解!
ランスがまたもや彗星のように俺を攻撃する。
俺は連続して与えられるダメージをなんとか岩と氷の盾で耐えていた。
10分だ…10分あれば魔法も魔術も回復する。
それまで耐えればいい。
ランスが『追尾の弓矢』を発動し俺は逃げるがいくつもの矢が追いかけてくる。
追いかけられている間にランスが『闇の咆哮』を放ち挟み撃ちにしようとしたが俺が『攻撃無効化』を発動し両方ともガラスのように割れた。
《『攻撃不能』の解除を確認しました》
よし!
ランスは俺が『攻撃不能』を解除したことに気付いたようだ。
慌てて『攻撃不能』を発動しようとするが俺のほうが早かった。
魔術『完全掌握』で『攻撃不能』を完全停止させると『フリューゲルナイト』と『フリューゲルSP001』を取り出しランスに接近する。
ランスが再び『闇の咆哮』を放つがうまくかわしながら俺はこの二つを起動させた。
ランスも血の剣を構えこちらにむかってくる。
二人は空中で火花を散らしながら剣を交えあった。
しばらくそうしていると俺のからだに異変が起こった。
動かなくなったのだ。
女神(仮)、これは!?
《スキル『血に飢える者』の効果で血が蒸発したものを操っていると予想します》
そういう使い道もあるのか…!
俺は鎌を取り出し結界を発動させる。
すると俺のからだは自由になった。
俺とランスは離れると互いに『闇の咆哮』を発動した。
ブレスとブレスがぶつかり合い爆風が吹き荒れる。
《魔力の低下を確認しました。スキル『魔力低下抑制』を自動発動します》
しかし俺はついに魔法が使えなくなってしまった。
魔力切れである。
ここで逃げるか?いや、コイツからは絶対に逃げられない。
その時、俺の近くに意外な人物が転移してきた。




