48 ついに俺はチートを使ってしまった
次の日、俺はクリムゾン学院の校長室のソファーに座っていた。
「よぉ久しぶり」
室内に一人の男性が入ってきた。
「…ヘンリーか?」
「正解」
そのすっかりおっさんと化した人物はヘンリーだった。
「アンタ変わってないなぁ!どうやったらそんな美貌を保てるんだ?」
「一回死んでまた生まれた」
「うん、聞かなかったことにしていいか?」
しばしの沈黙。
「せっかく来たんだからついでに俺たちもやらねぇか?」
「生徒たちは?」
「見学させればいい」
「わかった」
俺は『空間転移』を発動させた。グラウンドに転移する。
そこでは両校の生徒たちが練習試合をしていた。
「はい、やめてくれ」
ヘンリーが声をかける。
生徒たちはすぐに言われた通りにやめぞろぞろと集まってくる。
「これより俺とこのアクリシータ魔法学院のマルティネス先生が決闘をする。生徒たちは観客席にでも観戦していろ。シリウス、審判を頼む」
生徒が全員、観客席に着いたところで審判がルール説明をし始めた。
「試合時間は3分。相手が続行不能、または…」
ヘンリーがそれを遮る。
「いや、どちらかが負けを認めるまで試合は続く。それでいいな?」
「ああ」
「では試合始め!」
両者、杖を構える。
『風』を発動するがヘンリーも『風』を発動させ風と風がぶつかり合う。
『乱舞』発動。
多くの魔法陣がヘンリーを囲む。
だがヘンリーは『空間転移』を発動してこれをかわす。
ヘンリーは箒に乗りながら『風の咆哮』を放ってきた。
俺も箒を取り出し逃げるが風は横なぎにして襲ってくる。
俺はそれを器用にかわしてヘンリーに接近した。
『闇の咆哮』発動。
ヘンリーに直撃…していないだとっ!
ヘンリーは風の結界に守られて無事だった。
こうなったら最終手段だ!
その名もチート『攻撃無効化』!
俺は箒から降り地面に着地した。
逃がすまいとばかりに俺を魔法陣が囲う。
スキル『攻撃無効化』発動!
魔法陣がパリンっと音をたてて割れる。
生徒たちは驚き混乱していた。
しかしヘンリーは冷静に杖を一振りする。『風刃』だ。
それに対し俺は『模倣』を発動させ『風刃』を打ち返す。
ヘンリーはこちらに移動しながらそれをかわし『突風』を発動した。
『空間転移』を発動。
俺はヘンリーの真下に転移する。
ヘンリーはこちらに気付いていない。
『水刃』発動。箒を真っ二つに斬る。
ヘンリーはそのまま落っこちてきたが『空間転移』で安全な場所に転移した。
だがそこにはもう俺がいた。
俺はヘンリーの喉元に杖を突き付ける。
俺はヘンリーに勝った。




