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挿  話 洞窟のゲート

挿話です。

 クレヴァスのダンジョン内に水場を追加したので、ついでに洞窟内にも水場を追加しようかという話になった。


『でも、マスター、この人数で水場って()ります?』

『外には川もございますしな』

『ますたぁ、水ぅ、出せますよぉ?』


 従魔たちは口々に洞窟内に水場を造る必要性を疑問視してくる。


『まぁ、そうなんだがな。旱魃(かんばつ)なんていつ何時(なんどき)襲ってくるか判らんからな。現に、俺が来た時は皆干涸(ひか)らびかけてたじゃないか。まぁ、備えあれば憂いなしってやつだ』


 そう言うと、かつて死にそうになった時の事を思い出したのか、納得したようだった。俺自身、水不足で風呂はおろか水洗トイレの水にすら苦労した記憶があるからな、余裕は持っておきたい。


『ここは俺たちの最後の砦だからな。防衛能力は可能な限り高めておきたいし、ライフラインは幾重にもフェイルセーフ……安全のための二の矢、三の矢を確保しておきたい』


 俺たちの洞窟には、こちらの世界と日本を結ぶ通路が開いている。謂わば俺たちの生命線だからな。何としても死守する必要がある。

 そう力説したところが……


『あれっ、でも、マスター、マスターの世界でもダンジョンマジックって使えましたよね? ダンジョン転移でこっちへ来れるんじゃないですか?』


 ……考えた事もなかったな……。


 大慌てで試してみたところ、キーンの言うとおり、通路を使わなくても問題なくこちらと日本を往き来できた。ただし、転移にはかなりの魔力を使うようだ。俺以外の魔術師には厳しいかもしれんな。


『そもそもお主以外の魔術師は、向こうの世界の座標とやらを意識できまいが。無理にやろうとしても、どこか判らん場所へ飛ばされるのがオチではないか?』


 爺さまのいうとおりだろう。となると、ますますこの通路の存在は隠しておかんと駄目だな。


『魔術師でもない者が、手軽に異世界を往き来できるのでございますからな。存在が明るみに出た場合、国を挙げて奪いに来ようかと』



 ならば、それに備えて、秘密裡に対軍団規模の戦力を整備する必要があるな。



 ……これまでは他のダンジョンを強化するのに手をかけてきたが、そろそろこの洞窟もダンジョンとして強化すべきなんだろうか。



 しかし、気付かれない事を最重要ポイントとした防衛特化のダンジョンって、どういう形になるんだろうか……。今ひとつイメージが掴めないんだが……。



 とりあえずは階層を追加して……そうだな、以前クレヴァスのダンジョン設計の際に出た、水没迷路でも造っておくか。水場も兼ねる事ができるしな。

明日からは新章になります。クロウがまたも自重を投げ捨てます。

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