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39.始まりのお茶会

すみません。

削除しない方がシステム負荷がかからないっぽいんで、このまま中身だけ新しいものにします。

「お前たちが殿下に呪いをかけているのだろう?」


 ええ? いやいやないない。てか、なんでそんなことしてるって思われてんの?

 私はびっくりしたけど、ルチアーノ先生は冷静だった。

 甘い笑顔を浮かべて侍女に近づく。


「へぇ。どうしてそう思ったのか教えて欲しいな」


「で、殿下がそちらと交流するようになってから、どんどん体型が変わられたからです」


 おぉ。頬を染めつつも言い切った侍女はなかなかスゴい。


「おおかた、あの王太女殿下の仲間を作るつもりなんだろう?」


 どうも双子陣営としては、ビアンカ様の姿が丸く変わった後に双子の姿も変わった。だからビアンカ様がなにか謀っているのだろう、と主張している。


「その変わられた始まりがいつか、具体的にわかりますか?」


「初めてお茶会をしたのは、殿下が二歳の頃だったはずだ」


「ああ、確かにそのくらいだね。王妃殿下が外交に行かれるようになって寂しがられて、お茶会をしようってことになったんだ。ビアンカ様も気が塞いでいたから、私もちょうどいいと思ったんだよ」


 ルチアーノ先生も覚えているので間違いなさそうだ。

 ということは、双子より先にビアンカ様が丸かったってことだよね。


「王太女殿下にお目にかかればかかるほど、殿下の体型は王太女殿下と同じようになっていきました。わたくしたちはそれが恐ろしくて」


「毎回、お茶やお菓子を調べても毒はなかったが。何度もお茶会をやめるように進言しても、聞き入れてもらえず。それも呪いとしか思えなくなった」


 うーん。

 ビアンカ様と双子と一緒におやつを食べたことのある私には、呪いはどうもピンとこない。


 私は最初、双子がお菓子をどんどんくれるから、どちらも食べ過ぎてあの姿になったのかと思ってたんだけど。

 実際のビアンカ様は、お母様を亡くしたくらいから徐々に姿が変わっていた。

 双子は、そんなビアンカ様と一緒に過ごすようになって丸くなっていったのか。

 ビアンカ様が先に変わっていたのなら、確かにこちらから双子側になにか仕掛けていると思われるのも仕方ない。

 でも、こっちはなんにもしていないのだから、原因は別にあるはずだ。


「そのお茶会でいつもすることってなんですか?」


 もしかして、歌ったり踊ったりしてるのかと思ったんだけど。


「お茶会ですることは決まっている」


「一緒にお茶を飲み、お菓子を食べながら、お話することです」


 あれ? 特別なことはなにもしていないっぽい。

 

「話題は決まっているのですか?」


「いや、毎回違うな」


「予想もつきません」


 ですよねー。

 いちおう確認したけど、お茶会が開催される部屋が決まっているわけでも、出されるお茶やお菓子が決まっているわけでもなかった。

 そういえばさっき、毒はなかったって言ってたね。


 ごめんなさい。私には思いつきません。

 むしろ、双子陣営にビアンカ様の事情を話して、一緒に考えてもらった方がいいんじゃなかろうか。

 そうすれば少なくとも、こっちも困っていて、双子になにもしていないって証明になるんじゃない?

 

 ルチアーノ先生にそう提案しようとした時、


「おやつをお持ちしました。こちらでよろしいでしょうか?」


 部屋の外から、ノックの後にお伺いが聞こえた。


「僕らも入っていいかなー?」


 え? なんでカルロ所長もいるの?


「すまない。別室でもいいのだが、菓子職人も交えて話がしたい。できれば、そちらのお付きの方達も一緒にお願いできるだろうか?」


 アルベルトもいるっぽい。

 二人が一緒だということは、なにかわかったのかもしれない。


「どうする?」


 ルチアーノ先生がにっこり微笑むと、侍女と侍従は「主に聞いて参ります」と答えて、寝室への扉に向かった。

 一緒にルチアーノ先生も行ったので勝手に扉を開けられることはないだろう。

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