第一話「毒乙女ちゃん編」そのはちっ!!
あ、今回は茨ちゃんのトラウマ回となっております。過度な暴言や暗い気分の時に見ると鬱気味になる内容なので、苦手な方はお気を付けください。
うちだって・・・書きたくないよ・・・でも、お話しだからお話しだから・・大丈夫 茨ちゃん・・ちゃんとちゃんといい未来に・・・うぅ
あ、ちょっとだけ流血表現あります。こちらも苦手な方はご注意を
「ただいま・・・」私は扉をあけ家の中に入る。バタバタと忙しない足音が聞こえてくる。私の目の前には私が最も愛さないといけないが、もっとも恐れる天敵がいた。
「あんた・・・どこいってたの?誰の許可をもらって外歩いてるの・・?」
園ノ香苗 私の母である。
「お、お母さん・・・あの、あのね、政府の人から電話があって・・私でも仕事をやってみないかって・・それで・・」私が言葉を言い終わる前に母は私の頭を傘でひっぱたき、怒鳴り散らした。
「何を言ってるのっ!あんたみたいな化け物が仕事?笑わせるんじゃないわよ!あんたが出歩くだけで世間様にどれだけ迷惑がかかるかわかってるの!」
母は私の頭を何度もぶつ
「ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・」私にはただ謝ることしかできない。私がすべて悪いのだ。私がすべて・・・すべて・・・まだ、母の怒りが収まらないのか罵声は続く。
「この化け物っ!国からの金が入るだけの化け物!それがなければあんたみたいな化け物・・・とっくに追い出してるわ!誰のおかげで家に入れると思ってるの!あんたのせいで家族はみんな不幸になる!不幸になる!」
それからずっとずっとぶたれた・・・やっと母の気が済んだのか私に部屋から出てくるなと命じる。
すべて・・・私のせいなのだ・・・・私は部屋にある小さな青い欠片を抱きかかえる。家族が壊れたのも私のせい。お父さんがいなくなったのも私のせい。お父さん・・・会いたいよ・・・また、お父さんの書く海の絵が見たいよ・・・
私の異能「毒乙女」 私が6歳の頃の寒い冬の日だった。私の周りにいる子がどんどん倒れていった。まだ異能が初めの方だったらしくすぐに病院に運ばれ被害こそは少なかったが、母は激怒した。そして私は政府の人に連れて行かれ一か月以上の軟禁生活を強いられた。
そこでもらった呼称が毒乙女・・・誰よりも可憐でそして醜い・・・私の最も嫌いな名前・・・一か月を過ぎると、私の異能も解析され条件が揃うと自宅でも生活できると判断され家に帰された。しかし、そこで私を待っていたのは地獄のような日々だった。
私の部屋だった場所は何もない。寒い寒い空間に変えられていた。母は
「こんな化け物知らない!政府で引き取ってください!」と政府の人につかみ掛かっていた。父はやめないかと言っていたが、それでも母は私を家から追い出したかったようだ。
私は家でも隔離された。母は私を化け物のような目でみて食事もろくにもらえなかった。私は母に近づくことすら許されなかった。
父はそんな私を不憫に思ったのだろう母と私の事でよく怒鳴りあっていた。
父は画家をやっていて家にいないことが多かった。夜、母が寝静まった時にこっそり私の部屋を訪れては
「ごめんな茨」そう言っていつもポケットからキャラメルをくれた。
私はお父さんもお母さんも恨んでないよ。そう言って父がくれたキャラメルを頬張る。口の中でキャラメルが溶けて甘く広がる・・・地獄のような日々だったが唯一の幸せな時間だった・・・
ある日父が私の部屋に絵をもってきてくれた。
「父さんが自信をもって書いたんだぞ。茨には海を見せてやれなかったからな!」父は自信満々に言うとその絵を私に手渡してくれた。
とても、青く澄んだ色だった。寒い部屋だったがその絵を見てると暖かい気持ちになった。
「母さんには内緒だぞ?」父はそういうと笑顔で笑ってくれた。
そして事件は起こった・・・起こってしまったのだ・・・
私が病院の検査から帰ると母は父の絵を持っていた。そして、私の方を振り向くと・・・
「茨・・これは何?」ただ一言そう聞いた。
私はお父さんが書いてくれたんだよと笑顔で言った。それがいけなかった。母の目の色が変わる。私の事を押しのけると部屋の外に出た。私は絵のことが心配になり母を追いかけると、母は父のくれた絵に包丁を突き立てていた。何度も何度も刺して・・・刺して。
私は慌てて止めようとした。大事な絵、唯一幸せになれるもの、私と父をつなげてくれるもの。
「触るな!それに触るな!」私は母の腕に飛びついた。
母の悲鳴にもならない悲鳴が響く。そして私の右頬に鋭い痛みを感じた。床に赤い滴が落ちる。熱い・・熱い・・私を作っている液体が零れ落ちる。
「化け物が私に触れるんじゃない!どうして出てきたあんたは出てきちゃいけない存在なのに!なんででてきたのっ!」母が包丁を私に振りかざす。
刺されるっ・・・そう思った瞬間 母の包丁は父の腕に刺さっていた。
父は母の腕から包丁をもぎ取り投げ捨てる。
「おとう・・・さん・・・?」私を庇ってくれた。でも、大事な腕が・・・腕が・・・・
「香苗!お前自分の娘に何やってるのかわかっているのか!」父が今までみたこともないくらい怒っている。
「娘?どこに娘がいるの?化け物の間違いでしょ・・・?うぅ・・うわぁぁーー!!」
母は私のほうを恨めしそうに見つめ、泣きながら床に崩れる。
その後母の精神鑑定が行われ、母は入院した。異能の関わった事件として処理されるとのことで、母には多額の賠償金が入るとの話だった。
母は二か月ほどで帰ってきた。
ニコニコと病院の先生と私の方を笑顔で見ると「お母さん間違ってた。今までごめんなさいね茨ちゃん」と謝っていた。
でも、私は聞き逃さなかった。私の横をすり抜ける時に
「オボエテロヨ コノバケモノ」といったことを・・・
父は家を出る事にすると言っていた。元々私が生まれたころから母との仲は悪かったようだが、父の事になると母は私の命もないがしろにすると思ったのだろう。
「ごめんな、茨は強くてしっかりした子だから大丈夫だよな?必ず迎えにくるから・・必ず」そういって父は笑顔を見せた。
「私も行く!私も連れてって」喉元まで差し掛かった言葉が父の無くなった腕を見て飲み込む・・・
私は笑顔で「待ってるね お父さん」と言った。
連れてって欲しかった・・・抱きしめてほしかった・・・助けてほしかった・・・もっと・・愛してほしかった・・・
それでも言葉は出なかった。すべてはこの毒乙女のせい・・・すべてを死に至らしめる私の力のせい・・・
お父さんは一瞬私の目をみて悲しそうな顔ででていった。
私は毒乙女・・・愚かで、皮肉な毒を吐かれる毒人形・・・母の為に生かされて・・母のを喜ばせるだけの喜劇の人形・・・ワタシハ・・・ワタシハ・・・ワタシハ・・・イッタイ・・・ナニ・・・?
第一話「毒乙女ちゃん編」そのきゅうっ!!に続く
お疲れ様でした。鬱話・・・鬱回・・・救いはない・・・自分も書いてて・・・書いてて・・・すっごい興奮してました!!幸薄少女の葛藤と痛みたまらない・・・
あ、やめて石投げないで・・・ちゃんとちゃんと幸せにするから幸せにしますからー!!
そういえば今回主人公サイド誰もでてないな・・・次回はちゃんとでてきます。というかむしろあの人達しかでない「キリッ
それでは次回もよろしくお願いします。




