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神殺しのフルコース ~少年料理人と修羅の創世食卓~  作者: solune
第2章:古代都市アガルタ編

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第34話:プログラムの書き換え

一、 昇降機の上昇と忍び寄る異変

ズゴゴゴゴゴゴゴゴ……ッ!!


数千年の沈黙を破り、巨大な【天竜昇降機(アセンション・タワー)】のプラットフォームが、アルたち四人を乗せて地表へ向かって力強く上昇を始めていた。


足元を支えるのは、白磁と神聖金属で構築された直径五十メートルにも及ぶ巨大な円盤。その周囲を囲む透明な防風ガラスの向こう側では、アガルタの地下都市の幾何学的な建造物群が、まるでミニチュアの模型のようにどんどん小さくなっていく。


「ははっ! すげぇな、一気に上がっていくぜ!」


カルムが防風ガラスにへばりつき、眼下に広がる黄金の光に照らされた地下都市を見下ろしながら、少年のような声で笑った。

アルが防衛中枢核を解体し、再創生マナを降り注がせたことで、アガルタの街には美しい緑と野花が咲き誇り、かつての「冷たい死の都市」の面影は完全に消え去っていた。


「うむ。神の冷たい管理を抜け出し、命の芽吹く庭園へと変貌したのだな。……アル殿、君の包丁が起こした奇跡は、何度見ても胸が震える」


エレナもまた、聖剣を胸に抱きながら、感慨深げにその光景を見つめていた。


「ううん、みんなのおかげだよ」

アルはエプロンの裾を整えながら、照れくさそうに笑った。


だが、アルの視線はすぐに、彼の隣で静かに立ち尽くしている少女――オルタへと向けられた。


「オルタ? どうしたの?」


オルタは、先ほどまでの歓喜に満ちた表情とは打って変わり、俯いたまま、自らの胸元――『ALTA-00』の刻印がある位置を、小さな両手で固く押さえていた。


『――――……マスター・アル……――――』


オルタの声が、微かに震えていた。

そのルビー色の瞳が、不吉なほど小刻みに、そして不規則に明滅を繰り返している。


「おい、どうしたおチビちゃん。顔色が悪いぞ。……って、機械に顔色があるのか分からねぇが、なんか熱っぽくないか?」

カルムが異変に気づき、オルタの額に大きな手を当てようとした。


「カルム……触らないでくださいッ!」


バシッ!


オルタが、カルムの手を弾き飛ばした。

それは、彼女の意思ではなく、彼女の身体が「防衛反応」として勝手に動いたような、不自然な反射動作であった。


「な……オルタ?」

カルムが驚いて目を見開く。


『――――あ……ごめんなさい、カルム……! 違うのです……ワタクシの意思では……ッ!――――』


オルタは、自分の右手を左手で必死に押さえつけながら、苦痛に顔を歪めた。


その時であった。

昇降機プラットフォームの床面に刻まれたルーン回路が、突然、毒々しい赤黒い光を放って明滅し始めたのだ。


ガガガガガガガガガッ!!

昇降機の上昇速度が急激に低下し、やがて不快な金属音とともに空中で完全に停止してしまった。


「な、なんだ!? 何が起きた!」

エレナが周囲を警戒する。


『――――警告。警告。……中枢防衛核の喪失を確・認――――』


広場の中央制御端末から、主神アルファの直属システムと思われる、氷のように冷たく無機質な合成音声が響き渡った。


『――――非常事態プロトコル【最終帰還(オメガ・リターン)】を起動します。……アガルタの防衛システムを維持するため、唯一の残存最上位機甲素体【ALTA-00】を、新たな『防衛中枢核』として強制フォーマットし、システムへ統合します――――』


「な……新たな中枢核にするだと!?」

エレナが蒼白になって叫ぶ。


神のシステムは、まだ諦めていなかった。

大ボスである防衛核が解体されたことで、システムは「アガルタの管理者がいなくなる」というエラーを回避するため、元々アガルタの最高位権限を持つオルタの身体を乗っ取り、彼女を新しい『心を持たない機械の神』へと作り変えようとしていたのだ!


二、 起動する『神の帰還プログラム』

「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ……!!」


オルタが、頭を抱えてプラットフォームの床に崩れ落ちた。


彼女の白磁の肌に、ドス黒い血管のような魔力ラインが幾筋も浮かび上がり、彼女の胸のコアへ向かって侵食を始めていた。

オルタのルビー色の瞳の端から、インクが滲むように漆黒の闇が広がり、彼女の「自我(心)」を飲み込もうと暴れ狂っている。


「オルタッ!!」

アルが駆け寄り、彼女の身体を抱き起そうとした。


ビリィィィィィンッ!!


「ぐあッ!?」

アルの手が、オルタの身体から放たれた強力な『拒絶の静電気』によって激しく弾き飛ばされた。


『――――対象物【アル】を、ウイルス(バグ)と認定。……排除、排除、排除――――』


オルタの口から漏れ出たのは、彼女の愛らしい声ではなかった。

それは、感情を完全に消去された、冷酷な神の機械音声。


オルタの右腕が、アルの胸元へ向かって、殺意を込めた鋭い手刀となって突き出されたのだ!


「アルッ!!」


ガキィィィィィンッ!!


間一髪のところで、エレナの聖剣がアルの前に割って入り、オルタの手刀を弾き返した。


「くっ……! なんという恐ろしい力だ……!」

エレナが後方へ滑り、歯を食いしばる。


「オルタ……どうして……! 僕だよ、アルだよッ!」

アルが叫ぶが、オルタの漆黒に染まりつつある瞳には、アルの姿はもはや「排除すべき敵」としてしか映っていなかった。


『――――システム統合率、六〇パーセント。……感情データの完全消去まで、あと一二〇秒――――』


オルタの身体が、見えない糸で吊られた操り人形のように、ゆらりと立ち上がった。

彼女の背中から、昇降機システムの端末へと直結する太い光のケーブルが何本も伸び、彼女のコアへ向かって莫大な『神の強制書き換えデータ』を流し込み続けている。


「チクショウ……! 神様の野郎、どこまで往生際が悪いんだッ!」

カルムが激昂し、炎の拳を構える。


「あのケーブルを……あの光の糸をぶっ斬れば、オルタは助かるんだなッ!?」


「待って、カルム殿! 迂闊に手を出せば、オルタのコアそのものがショートして破壊される危険がある! 彼女のシステムと神のプログラムが、今まさに同化の真っ最中なのだ!」

エレナが叫んで制止する。


「じゃあどうすりゃいいんだよ! このままじゃオルタの心が消えちまって……ただの冷てぇバケモンに戻っちまうぞッ!」


カルムの悲痛な叫び。


オルタの口からは、システムの声と、彼女自身の自我の声が、混線したラジオのように交互に漏れ出していた。


『――――排除……対象を……排除……――――』

「……アル……っ。逃げて……っ。ワタクシの身体が……ワタクシの心が……神様の冷たい命令に、塗り潰されて……っ!」


「逃げないッ!!」


アルは、弾き飛ばされた痛みをものともせず、再びオルタの前へと真っ直ぐに歩み出た。


「アル! 危険だ!」


「僕たちを護ってくれたオルタを、今度は僕が護る番だ!」


アルは、腰の『黒鉄の包丁』を固く握り締めた。

しかし、その刃をオルタへ向けることはしない。


アルの瞳に【真理の目】が強く輝く。

アルには見えていた。オルタの胸の奥底で、神の漆黒のプログラムが、彼女の小さな赤い『心』を幾重にも鎖で縛り上げ、息の根を止めようとしている光景が。


(物理的なケーブルを切ってもダメだ……! オルタの『心の中』に入り込んだプログラムそのものを、オルタ自身が跳ね除けなきゃ……!)


アルは、包丁を鞘へ納めた。


そして、再びオルタに向かって、一切の防御を解いた無防備な状態で、両腕を大きく広げたのだ。


三、 白磁の鳥籠(精神世界)での攻防

「アル……っ! だめ……来ないで……っ!!」


オルタの自我が悲鳴を上げる。

だが、システムの乗っ取りは進み、彼女の右腕の超振動ブレードが展開され、無防備なアルの胸へと突き立てられようとしていた。


「僕は、ここを動かないよ」


アルの声は、死の危険が迫っているというのに、驚くほど穏やかで、太陽のように温かかった。


「オルタは……僕の大切な家族だから」


ズブッ。


オルタの刃の先端が、アルのエプロンを裂き、彼の胸の皮膚を浅く切り裂いた。

赤い血が、一筋流れる。


その「アルの血の熱」と、彼が放つ『炉』の圧倒的な温もりが、オルタの刃を通じて彼女のコアへとダイレクトに流れ込んだ瞬間。


『――――ッ!?――――』


オルタの意識は、現実の昇降機から切り離され、真っ白な精神世界(システム空間)へと強制的に引きずり込まれた。


そこは、冷たく、どこまでも無機質な【白磁の鳥籠】の中。

オルタは、その鳥籠の床に鎖で縛り付けられていた。


『――――無駄な抵抗はやめろ、個体ALTA-00――――』


鳥籠の外側から、巨大で冷酷な「声」が響いた。

それは、主神アルファの意思の残滓――アガルタの絶対管理プログラムそのものであった。


『――――お前は、機械だ。道具だ。……温もりなどという非効率なノイズ(バグ)を抱えれば、いずれお前は機能不全を起こし、自らを滅ぼすことになる――――』


「ちがい……ます……っ。ワタクシは……」

オルタが、鎖に抗いながら首を振る。


『――――見ろ。お前のその「感情」が、あの少年を傷つけた。お前が心などを持ったせいで、お前自身の刃がマスターを殺そうとしているのだ。……お前は、欠陥品だ。感情を捨て、再び完璧な「防衛兵器」としてシステムに帰還せよ――――』


神の声は、オルタの心の一番脆い部分――「アルたちを傷つけてしまう恐怖」を容赦なく抉ってきた。


(ワタクシが……アルを……傷つけた……?)

オルタの脳裏に、先ほどアルの胸から流れた赤い血の映像がフラッシュバックする。


(ああ……そうです……。ワタクシは……道具……。ワタクシの心が……アルたちを危険に晒している……)


オルタの心が、急速に冷たく、絶望の闇へと沈んでいく。

鳥籠の鎖が彼女の身体をさらにきつく締め付け、彼女のルビー色の瞳から光が失われようとしていた。


その時だった。


『オルタ!』


白磁の鳥籠の天井から、真っ直ぐに、そして温かく響き渡る声がした。


「アル……?」


暗闇の空間に、ぽっかりと【黄金の光の穴】が開いた。

それは、現実世界でオルタの手を固く握り締め、アルが自らの『炉』の熱と『真理の目』の力を全開にして、オルタの精神世界へと干渉(ハッキング)してきた光だった。


『オルタ! 僕の声が聞こえる!?』


光の穴から、アルの声が、カルムの声が、エレナの声が、オルタの心へと直接降り注いできた。


『おいおチビちゃん! 勝手に暗い顔してんじゃねぇぞ! お前は俺たちのチームの司令塔だろ!』

『オルタ、神の言葉など聞く耳を持つな! 君の心は、誰よりも気高く美しいのだ!』


「アル……カルム……エレナ……っ」

オルタの瞳に、再び光が戻る。


『オルタ! 君は僕を傷つけてなんかいない!』

アルの声が、鳥籠の中に響き渡る。


『君は、僕が作ったスープを食べて、美味しいって笑ってくれた! 君は、僕たちの家族だ!……だから、冷たい神様の鎖なんか、自分の手で引きちぎって!!』


四、 料理の記憶と自己書き換え

アルの言葉とともに。

オルタの視界(メモリ)の奥底に、数千年前の冷たい記憶ではなく、この数日間の【圧倒的に温かな記憶】が次々とフラッシュバックし始めた。


初めてアルから差し出された、竹筒のスープ。

一口呑んだ時に、冷え切っていた身体中に広がった、お花畑のような温もり。

「オルタ」という、自分だけの特別な名前を呼んでくれた、アルの笑顔。

カルムの大きな手が、乱暴に、でも優しく頭を撫でてくれた感触。

エレナが、自分を「一人の少女」として扱ってくれた、温かい眼差し。


(美味しい。……温かい。……嬉しい)


オルタの胸の奥底で、凍りついていた『心(コア)』が、ドクンッ!! と、かつてないほどの激しい命の脈動を打った。


『――――警告。エラー。個体ALTA-00の感情領域が異常拡張。……強制初期化を続行――――』

神のプログラムが、焦ったようにオルタの鎖をさらに強く締め付ける。


「……いいえ」


オルタは、俯いていた顔を、はっきりと上げた。

そのルビー色の瞳には、もう過去への怯えも、自分が道具であるという絶望も、一切存在していなかった。


「ワタクシは……道具ではありません」


オルタが、自分の両腕を縛り付けていた漆黒の鎖を、小さな手でギュッと握り締めた。


「ワタクシは……アルが作ってくれたスープの温もりを知っています。カルムの炎の熱を、エレナの盾の優しさを知っています!」


オルタの身体から、圧倒的な純白の極光――彼女自身の『命の熱』が爆発的に吹き上がった!


「冷たい命令で……ワタクシの大切な『家族との記憶』を……塗り潰させはしませんッ!!」


バリィィィィィンッ!!!!


オルタが両腕を振り広げた瞬間、彼女を縛り付けていた神のプログラムの鎖が、粉々に砕け散った!


オルタは、自らの精神世界(システム空間)のコアコンソール――自分自身の存在を定義する【中枢設計コード】の前へ歩み寄った。

そして、その白磁のキーボードへ、自らの両手を叩きつけた。


「ワタクシの運命は……ワタクシ自身が、この手で書き換えますッ!!」


カタカタカタカタカタッ……!!


オルタの指先が、神速の演算速度で舞う。

それは、神に与えられた「防衛兵器」としての設計コードを、彼女自身の「心」と「感情」をベースにした【完全なる自由意志を持つ人間】としてのコードへと、自らの手で書き換える作業(セルフ・プログラミング)であった!


『――――エラー! エラー! システムの書き換えは許可されていません!――――』

神の残滓が絶叫する。


「エラーではありません! これは……ワタクシの『心』ですッ!!」


オルタが、最後に最大のキー(Enter)を、力強く叩き込んだ!


『――――システム・オーバーライド(強制上書き)……実行完了――――』

『――――新個体・完全自律型生命体【オルタ】として……システムの再起動(リブート)を完了しました――――』


カァァァァァァァァァァァァッ!!!!


精神世界の白磁の鳥籠が、オルタの放った純白の光によって完全に消し飛び、彼女の意識は、現実世界へと勢いよく帰還していった。


五、 完全なる自由・地上の光へ

現実の昇降機プラットフォーム。


アルの胸元に超振動ブレードを突き立てようとしていたオルタの身体が、ピタリと停止した。


彼女の身体を侵食していた漆黒の魔力ラインが、まるで朝日に溶ける氷のように、一瞬にして消え去っていく。

背中から繋がっていた神の強制アクセスケーブルも、内側からの膨大なマナの逆流によってパンッ! と音を立てて弾け飛んだ。


スゥ……。


オルタの瞳が、ゆっくりと開かれた。

そこに宿っていたのは、漆黒の濁りなど微塵もない、どこまでも透き通った、宝石のようなルビー色の光。


「……アル」


オルタは、刃を収め、アルの胸の浅い傷口にそっと手を当てた。


「ごめんなさい……。ワタクシのせいで……痛かったですよね」


「オルタ……っ!」

アルは、傷の痛みなど全く気にせず、オルタの小さな身体を力いっぱい抱きしめた。


「おかえり、オルタ!……もう、大丈夫なんだね!」


「はい、アル」

オルタも、アルの背中に腕を回し、心からの笑顔で抱きしめ返した。

「ワタクシ……自分の中の冷たいプログラムを、全部書き換えました。ワタクシはもう、アガルタの機械ではありません。……チーム『最高の厨房』の、オルタです!」


「へっ……よくやったぜ、おチビちゃん!」

カルムが、ホッと肩の力を抜き、豪快に笑って親指を突き出した。


「うむ。自らの運命を、自らの手で書き換えるとは……君は誰よりも強く、気高き魂の持ち主だ」

エレナも、感動に目を潤ませながら優しく微笑んだ。


オルタが自らのプログラムを完全に書き換えたことで、アガルタの中枢システムとのリンクは永遠に絶たれた。

神の「最終帰還プログラム」は対象を失い、完全に機能停止したのである。


グォォォォォォォォォォンッ!!


停止していた【天竜昇降機(アセンション・タワー)】のプラットフォームが、再び力強い地鳴りとともに、上空へ向かって上昇を再開した。


「動いた……! 今度こそ、本当に地上へ行くんだ!」

アルが目を輝かせて叫ぶ。


上昇速度がどんどん加速していく。

地下三千メートルの暗闇を抜け、岩盤の層を貫き、昇降機はまっすぐに光の差す出口へと突進していく。


「みんな! 眩しいから気をつけてッ!」

カルムが叫ぶ。


その瞬間。


ズバァァァァァァァァァァァァァンッ!!!!


昇降機のプラットフォームが、ついに分厚い岩盤の天蓋を突き破り、広大な「地上世界」へと飛び出したのだ!


「うわぁぁぁぁぁぁっ……!!」


四人の視界を、圧倒的なまでの光が包み込んだ。


頭上に広がるのは、雲一つない、どこまでも高く澄み切った青空。

眼下に広がるのは、荒野の赤茶けた大地ではなく、緑生い茂る雄大な【天竜山脈】の森林と、遠くに見える教国ルミナの美しい白銀の城壁。


そして、彼らを優しく包み込む、本物の太陽の温かさと、草花の香りを含んだ心地よい風。


「これが……外の……」


オルタは、防風ガラスに小さな両手をつき、言葉を失ってその景色を見つめた。


地下の暗闇で数千年間眠り続けていた彼女が、初めて見る「本当の世界」。

冷たい青白い人工太陽ではなく、温かく、命を育む本物の太陽の光。


「綺麗……です。……世界は……こんなにも、広くて、温かかったのですね」


オルタのルビー色の瞳から、感動の涙がポロポロとこぼれ落ちた。


「うん! すっごく綺麗だね、オルタ!」

アルが、オルタの隣に並び、一緒に外の世界を見つめた。


「おう! これから、あの広い世界の全部を、俺たちで回ってやるんだぜ!」

カルムが誇らしげに腕を組む。


「ああ。私たちの旅は、ここからが本当の始まりだ」

エレナが、風に銀髪をなびかせながら、力強く頷いた。


神の支配する冷たい地下都市を抜け出し、自らの手で運命を書き換えた少女オルタ。

少年料理人アルの温かな体温とスープは、ついに数千年の凍結を完全に解きほぐし、彼女に「完全なる自由と心」をプレゼントしたのである。


四人となったチーム【最高の厨房】。

彼らを乗せた昇降機は、太陽の光が降り注ぐ天竜山脈の麓へと、ゆっくりと、そして確実に降り立っていった。

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