唐揚げ丼(正)
ハニーマスタードソースの唐揚げ丼?
私はスマホで牛丼屋のメニューを舐めるように眺めていた。
空腹は限界だった。
私は飛び出すように家を出て車のエンジンをかけ、店に向かった。
到着すると肉のやける匂いが鼻をくすぐる。
私はメニュー表も取らずに迷わず注文した。
「ハニーマスタード唐揚げ丼で!」
私は手を洗い心の準備を整える。
席に戻ると厨房から牛肉の踊る音、油の中で鶏肉が唐揚げに変身していく音で賑わっている。
そして肉たちの合奏が終わり、お盆に乗せられたディナーが到着した。
丼にはアツアツのご飯。
巨大な唐揚げが3個。
唐揚げには見慣れない黄色のソース。
そしてなんとマヨネーズもついている。
湯気とともに鼻で肉を味わう。
ヨダレがあらゆる粘膜から溢れ出るようだ。
1口食べるとソースはマスタードと名がつくので辛いと思いきゃ甘酸っぱい。
唐揚げは大きすぎて3口~4口分はある。
はふはふと熱い唐揚げとマスタードソースとご飯を混ぜ合わせてかきこむ。
3つの味が口の中で混ざり、絶妙なハーモニーを奏でる。
箸が止まらない。
土石流の如く口に流し込む。
口の中が幸せだ。
ソースとご飯だけでも3杯はいける美味しさ。
私は時を忘れて愉しんだ。
しかし、予期せぬ自体が起きた。
米が余った。
ペース配分は完璧だったはずなのに。
しかし、卓上には秘密兵器がある。
『紅しょうが』だ。
私は小さなトングでひとつまみの紅しょうがを米の上に乗せ、かき込んだ。
そして、お冷を胃に流し込む。
大満足の私はお会計を済ませ帰宅した。




