第一章38~42 要点まとめ
止湮の帰りを待っていた際允。ソファで目を覚ますと、時刻は深夜2時半。止湮は未帰宅のままだった。
67回目の電話をかけると、なんとドアの外から止湮の着信音が聞こえる。
それは、止湮ではない誰か。
止湮のスマホと職員証を持っている、誰か。
ドアスコープを覗くと、そこには火の教会の制服を着た見知らぬ男がいた。解錠できなかった男は、何かメッセージを受け取るとそのまま立ち去った。
限界に近い際允のもとに、墨然から連絡が入る。事の一部始終を聞いた墨然は、即座に「今から行く」と宣言。
止湮の捜索を優先してほしい際允に対し、墨然は「あなたの安全のほうが重要だ」と言い放つ。常に冷静沈着な墨然だが、声に焦燥を滲ませている。
通話を繋げたまま、墨然は際允の家へと向かう。
真相調査の件を知ってしまった教会が、止湮を拘束し、唯一の家族である際允を人質にするつもり。――それは墨然の極めて合理的な推測。
際允が自身の死を「あんなこと」と卑下した際、墨然はこれまでにない怒りを見せる。
すると、男が管理室の合鍵を使い、ついにドアを解錠。絶望した際允はベランダからの逃走――自殺紛いな逃げ方を考える。
その瞬間、
6年前、止湮との約束が脳裏をよぎる。際允は死による逃避を拒絶し、その場に座り込んだ。
ドアが開く直前、墨然が到着し、不審者を無力化。
そして、墨然はなぜか、際允に「扉を開いてくれ」と請う。
玄関へと向かった際允は、前世、ドアを開けた瞬間に伴う死の記憶がフラッシュバックする。ドアを開けることができず、パニックに陥る。
無意識に下がろうとする際允に、墨然は――
「信じてくれ、際允」
と、呼びかけた。
扉を開けた先にいた墨然は、無機質な普段の姿からは想像もつかない、泣き出しそうでいて歓喜に震える複雑な表情を浮かべる。
そして、
「今度はやっと、間に合った」
と、墨然は笑う。




