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大阪を歩く犬2  作者: ぽちでわん
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小阪の融通道

前に俊徳街道を天王寺から小阪(東大阪市)まで歩いた。俊徳街道は俊徳丸って伝説上だけかもしれない人物が、家のある高安から四天王寺に通うのに通っていたという道だった。

小阪あたりで同じく大阪のほうからやってくる十三街道と合流して、一緒に高安方面に進んでいく。

前回小阪あたりまで歩いていたので、小阪からの続きを歩きに行くことにした。


河内小阪まではなんばから近鉄大阪線でけっこうすぐだった。

近鉄電車は大阪線、南大阪線、奈良線などがあって、すごく大まかに言うと、難波から生駒山地の北を通って奈良北部まで行くのが大阪線、難波から生駒山地の南、二上山あたりを通って奈良南部に向かうのが奈良線、阿倍野から古市の方に行くのが南大阪線。

こんなに出発駅も違っていたりでバラバラな感じなのは、近鉄電車も歴史が古く、いろんな古い私鉄を合併するなどしてできあがっていったからみたい。


河内小阪駅からは、前回知った融通道で南下していった。融通道を南下すると俊徳街道なので。

駅を南側から出ると、りそな銀行の向かい側から始まっている、斜めに走る細い道が融通道。スカイドーム小阪なる商店街の一本左側の道。

商店街には司馬遼太郎記念館の案内がでていた。司馬遼太郎は難波は塩草の生まれで、新聞記者として働いた後、小説家になって小阪で暮らしていたらしい。亡くなって、自宅横に記念館がつくられたのだって。


駅前なのに残されている古い融通道にはお地蔵さんなどもいっぱいだった。すぐに洞源庵なんてところがあり、細い道を猫たちが歩き、頭上を飛行機が飛んでいく。路地から見上げる細く切り取られた空を飛んでいく飛行機はなんだかすごかった。

道沿いに理容イソノがあって、当時は店主手作りの天守閣があり、小阪城と呼ばれて有名らしかった。すごく見上げると屋根の上になにやら見えた。

木などのある妙に広いところに出ると、道がいろいろある中、小坂神社の神灯台の立っている道へ。右横に立江地蔵がいる道。すぐに旧家につきあたると、右手、行者神變大菩薩とある小さな祠がある道へ。この祠は小さいながら金峯神社らしい。

それから小坂神社があった。


神社の前では下小阪について説明されていた。豊臣秀吉の時代、西堤村から18軒が入植してきたのが始まりだそうだ。その頃に創建された水分みくまり神社が今の小坂神社になったのだって。

南下を続けると車道と交差して、なんだか雰囲気のある道で、ちょっと歩いてみた。

右にはゆるい上りで、左にはゆるい下り。すぐ近くに司馬遼太郎記念館があり、その前には大きな旧家があった。

元の道に戻って、もう少し南下すると、弥栄神社。

北参道の入口には馬立跡とあった。馬立うまたてって、馬つなぎのことだそうだ。ここは元は旧大和川の堤だったところで、古くは大坂夏の陣の頃、大阪城に向かう木村重成が、ここで大阪城が炎上しているのを見て、もはや大阪城も落ちたと引き返し、若江で戦死したとされているそうだ。

大阪城炎上って、豊臣秀頼と淀君が亡くなったときね。木村重成さんは大阪側の名将だった。母が豊臣秀頼の乳母で、秀頼と共に育った人だったそうだ。

亡くなったのは22歳くらいの時だった。妻は妊娠中で、子を産み、夫の一周忌を済ませた後で自害したのだって。そのとき、20歳。


大師堂があり、このあたりで融通道や十三街道や俊徳街道が複雑なことになっている。

じぐざぐ行くと竹中邸に行き着いて、平野御本山とある石碑がある。平野御本山というのはここから南西の平野区にある融通念仏宗の本山、大念仏寺のこと。

今来た融通道は、もっと北(寝屋川あたり)から南下してきて、小阪を通って八尾に向かう小阪街道の一部でもあるみたい。

ここで交差する東西の道が十三街道。このへんで俊徳街道と一緒になって東に向かっていく。俊徳街道は高安までだけれど、十三街道はその後も続いて、十三峠で生駒山を越していくのだって。

俊徳街道の続きを歩くべく左折して東に向かった。まあ、俊徳街道と言うか十三街道ね。

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