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午後七時
私は夏なんて嫌いだ。
蝉の音が頭に響く午後七時
生暖かく茹だるような風が祭り囃子を運ぶ。
私は夏祭りなんて嫌いだ。
君との思い出が溶けた夏祭りは
私の胸をひどく締め付ける。
それなのに私は
吸い寄せられるように引き寄せられていく。
居るはずの無い君を
ひっそりと探す私の記憶から
君の紫陽花のような儚さと
向日葵のような笑顔が霞んでゆく。
あの日の言葉は
人の波に飲まれて掠れていく。
何故かそんな気がするんだ。
きっとそうだ。
そんな私は私を嫌う。
私は嘘つきだ。
忘れていくわけがない。
忘れようとしているだけだ。
言葉は今も鮮明に浮かび上がる。
私の隣に君はいない。
今回は3部構成となっております。
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