15.悪の手先 その七 連絡
-自宅-
カラスがやってきた。
『おっ疲れさーん。はい、給料!』
『…』
僕は無言でカラスから封筒をひったくる。
『何?どしたの?機嫌悪いじゃん。』
『どーしたも、こーしたもあるか!
死にかけたぞ!
マジでどうなってんだよ!
あの大蛇!話通してないのかよ!!』
僕は、口からつばを飛ばし怒鳴る。
『どうなってるって言われてもねぇ…
黒連も一枚岩という訳じゃないのよ。
私達と別で行動している連中や聞く耳持たない奴らもいるのよ。』
『つまり、フォローできない事があるって事か。』
『まぁ、早い話がそうなるわね。』
『早いも遅いもあるか!右手、超痛え、頭痛も酷いわ!』
『傷、ふさがってないの?』
『ふさがってるけど、痛ぇんだよ!』
自分の怒りを、感情を自制できない。
『まぁ、そっちの件は、極力手を回すようにするから。
こっちも大変だったのよ。』
『白鞘施設、襲撃の件か?』
『そう!あ、知ってた?
どっかの馬鹿が白鞘の施設を襲撃したのよ。
それで上の連中が大慌て。』
『門脇さんの計画じゃなかったの?』
『違うの。でも、白鞘は、黒連だと決め付けるわけよ。
それで上の連中が言い合ってるのよ。政治ってやーね。』
『その、黒連の別グループじゃないの?』
『でも、ないみたいなんで困ってるのよ。
白鞘内で情報回ってる?』
『いや、黒連の仕業としか聞いてない。
怪我人の治療に参加したが、火傷の人間が多かったな。
それと何と言うか刺されたような傷。槍かな?』
『刺し傷?それ、銃創じゃない?
銃で撃ったのかも。口径とか分かる?』
『そこまでは…それどころじゃなかったし。』
『まぁ、いいわ。
あっ、そうそう。新堂って女について調べたわ。
京都にある平安高校の2年生。でもって、不登校。
両親が去年、交通事故でなくなってからずっとみたいね。』
『京都?ここまでは、結構距離があるな。』
『住所も特定済み。瀬田市内で一人暮らし。』
『そっか、ありがとう。』
他人が怪我した時にパニック気味になるのはそれも原因なのかな。
『YOU、誘っちゃいなよ。情報取ってきて。』
カラスが茶化す。
『多分、彼女も大した事は知らないよ。
僕とほとんど変わらないんじゃないかな。』
『残念。』
まぁ、そもそも誘う自信もないけど。
草食系男子 全日本代表なんで。




