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異世界焼肉  作者: 天坂 透真


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【第48話】「シッポニ・レモン・シュッ」

お待たせしました、第48話です!

今回ついに、あーちゃん探偵物語の第一幕がクライマックスを迎えます。

霊能力者、そしてえーさん本人まで登場し、騒動は焼肉店を巻き込んだ大事件に!?

新たな「呪文」が生まれた夜を、ぜひお楽しみください

「ルミちゃん、肩に手が……?」


振り向いた先にいたのは、あの男。

そう、いつもの先頭に並び、カウンター席に座るえーさんだった。

だが今日は――隣に女性を連れていた。

店内がざわめく中、肝心のあーちゃんは裏に引っ込んでいた。


えーさんが暖簾をくぐった瞬間。

「あ、げっ!」

あーちゃんが慌てて鈴を探し出す。

手をバタバタさせながら、ついに鈴を構えた。


「これでトドメよ!」

えーさんの前に立ちはだかり、声高に唱える。


「シッポニ・レモン・シュッ!!」


――店内大爆笑。

ルミもお母さんも、吹き出してしまった。

やがて後から入ってきた常連客までがノリノリで唱え始める。


「シッポニ・レモン・シュッ!!」


こうして、新しい「レモンサワーの掛け声」が誕生してしまった。

異世界焼肉に新たな迷言が刻まれることになる。


⸻


◆ 暴かれる真実


その場に居合わせた全員が笑っていた。

……そう、全員が「あーちゃんが鈴を振りかざす」と事前に聞いていたのだ。

だからこその大合唱。

置いてけぼりのあーちゃんは、顔を真っ赤にして鈴を隠した。


だが――その背後から。

「こんばんは」

霊能力者がひょっこりと現れた。


「あ、あんた……!」

あーちゃんは訳がわからず怒り出す。

霊能力者は静かに答える。


「その鈴と札は、このえーさんから仕入れているの。えーさんは私よりも強い霊力を持っているのよ」


さらに霊能力者は明かした。

あーちゃんが初めて訪れる前日、えーさんが霊能館を訪れて商品を納品していったこと。

そして「女の子が来るから、こう助言してやってくれ」と細かい指示を受けていたこと。


「焼肉屋の娘さんだったとは驚いたわ。でもね、えーさんには隠し事はできない。全部見透かされているの」


あーちゃんは呆然とするしかなかった。


⸻


◆ レモンサワーの呪文


えーさんは笑いながらこう補足した。

「霊力を商売にはしない。札も鈴も、実費だけ。だから霊力が濁らずに済むんだ」


そう話すと、えーさんと霊能力者は席につき、焼肉を堪能しはじめた。

一方、あーちゃんは新たなパワーアイテム――木札をもらってすっかり上機嫌。

さっきまでの怒りもどこへやら。


ルミもお母さんも、そしてポムまでも木札を渡され、ちょっとしたお守り大会に。


こうして第一回「あーちゃん探偵物語」は幕を閉じた。

……第一回? そう、彼女は懲りずにきっと二回、三回と探偵ごっこを繰り返すに違いない。


⸻


◆ クローズの一幕


その夜、より坊がやってきた。

一連の顛末を聞き終えると、彼はレモン酎ハイを手に掲げる。


「シッポニ・レモン・シュッ!!」


ドヤ顔で叫んでから飲み干すより坊。

「やめなさいよっ!」

あーちゃんが頭をはたいたが、時すでに遅し。


こうして「レモンサワーの呪文」は、異世界焼肉から広まっていった。


「異世界焼肉、本日もクローズです」


第48話「シッポニ・レモン・シュッ」お読みいただきありがとうございます!

今回で「あーちゃん探偵物語」の第一幕は終了。

霊能力者もえーさんの掌の上、すべては彼の采配であったことが明らかになりました。


そして、突如誕生した迷言 「シッポニ・レモン・シュッ」。

これが今後どう広まっていくのか……物語のちょっとした彩りになっていきそうです。


次回からは再び日常回へ。

けれど、あーちゃん探偵の次なる暴走は、そう遠くない未来にまた訪れるはず。

ぜひ引き続きお楽しみに!


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