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異世界焼肉  作者: 天坂 透真


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【第45話】「あーちゃん探偵、霊能館にて」

みなさん、こんにちは。

今回の語り手はあーちゃん――。

探偵気質の彼女が足を踏み入れたのは、噂の“霊能力者”が住む館。

果たして真実を掴むのか、それとも新たな罠に落ちてしまうのか……。


◆ 怪しい館


その日、私は街外れの古びた館の前に立っていた。

二階建ての建物、薄暗い窓。

入口には風で揺れる鈴がぶら下がり、チリン……と不気味な音を響かせている。


「ここね……例の霊能力者ってやつは」


階段をきしませながら二階へと上がり、扉を叩く。

「どうぞ」と低い女の声。


中に入ると、そこは薄暗い部屋。

壁一面に呪符が貼られ、中央には水晶玉が鎮座していた。

その奥に座るのは、黒衣に身を包んだ女主人。


「ようこそ……過去も未来も、この水晶に映るのですよ」

「ふぅん……じゃあ、私の知りたいことも全部教えてよ」

「ええ。あなたの求める真実は――すべてここに」


⸻


◆ 水晶に映る影


女主人が両手を水晶にかざす。

静寂の中、チリチリと何かが焦げるような匂いがした。


三分ほどして、女主人の瞳が光を帯びる。

「……見えました。あなたの近くに、一人の男が座っている」


「えーさんのことね!」

私は思わず声を張り上げた。


女主人は、ゆっくりと頷いた。

「そう……その男こそ、あなたを悩ます元凶。すべての鍵を握っている」


私は拳を握った。

「やっぱり! 私もそう思ってたのよ!」


「ならば――この者を遠ざけたいですか?」

「もちろん! で、どうしたらいいの?」


⸻


◆ 高額な“秘術”


女主人は口元を歪めた。

「ここからは有料となります」

「わかったわ!」


私は財布を取り出し、手持ちの銀貨をすべて差し出した。

女主人の目がいやらしく細まる。


「では、この人形のお札にその男の名を書き、川に流しなさい。そうすれば縁は切れるでしょう」

「ほんとに!?」

「加えて、この鈴を肌身離さず持ちなさい。危険を感じたら、その者に向けて鳴らすのです」


私はすっかり信じ込んでいた。

「なるほど……やってみるわ!」


⸻


◆ 川へ流す儀式


その足で川辺に向かった。

名前を書いた札を人形に貼りつけ、流れにそっと置く。

水流に乗って、ひらひらと遠ざかっていく。


「これで、えーさんとは縁が切れる……」

私は胸を張った。


だが、傍らでポムが首をかしげて見ていた。

「ワン?」

「ポム、これは霊能力者に教わった大事な儀式なの!」


ポムは不思議そうに尻尾を振るだけだった。


⸻


◆ 不思議な偶然


そして翌日――。

いつものように店を開けると、えーさんの姿がなかった。


「……え、まさか」


取材で外出していたというだけのことだったのだが、私はすっかり信じ込んでしまった。


「やっぱり……あの霊能力者の言葉は本物だったんだ!」


私は上機嫌で鼻歌を歌いながら、さらに真実を暴く気持ちを強めていった。


第45話「霊能館にて」お読みいただきありがとうございました。

探偵あーちゃんの暴走は止まらず、ついに怪しげな霊能力者の手に落ちてしまいました。

果たしてこれは偶然か、それとも必然か……。

次回は、この“占いの影響”が日常にどう波紋を広げるのかを描いていきます。


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