表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
21/30

21

朝にいきなりユーリが、レイラの元を訪れた。

レイラは慌ててユーリが居る部屋へと行くと、居るはずのない人がユーリと一緒に居た。


(あれ? 幻覚かしら……。何故。ユーリ様と、私が会いたいと言っていた男……クロウが一緒にいるの??)


微笑んでいるユーリの横で、クロウは苦笑いをしながら立っている。

そんな二人をびっくりした表情で、レイラは見ていた。


「レイラ。今日から、この人……クロウが陰で護衛に就くからね」


「えっ!?」


(クロウとまた話せるのは嬉しいけれど、ユーリ様と知り合いという設定なんてあったかしら?? むしろ敵よね!?)


「大丈夫。側にはずっといるんじゃなくて、少し離れた所で護衛に就くから。」


「そうなんですね。よろしくお願い致します」


「よろしく~」


やっぱり、レイラが思っていた通りこの男の名前はクロウだった。

にこやかに微笑みながらクロウに挨拶していたレイラだったが、頭の中はパニック状態だった。


(貴方、フリーの暗殺者じゃなかったの!? 物語と違いすぎないかしら……。)


「良かったね。レイラ。クロウに会いたいって言ってたんだろ??」


「はい。ありがとうございます……?」


(……あれ? 私、ユーリ様にクロウの事を話していないわよね? なのに、何故知っているのかしら?)


バッ!!


レイラは、勢いよく後ろに居たヴィオラを見る。レイラが向いた瞬間にヴィオラは横を見て、目線を合わせようとしない。


(やっぱり貴方ね!! 可笑しいと思ったのよ! 昨日話していた事が、現実になるなんて!! 貴方の主人は、私でしょうが!! こら! 目線反らさずに此方を見なさい!!)


そういう思いを込めながらヴィオラを見るが、一向に此方を見ない。


「それより……ねぇ、レイラ? クロウから聞いたんだけど、レイラが襲われたなんて僕聞いていないんだけどな~。それに、他の男に……それも襲われた男に会いたいって何でかな~?」


(ユーリ様が凄く怒ってらっしゃるわ!!)


ユーリの方に振り向いて確認するまでもなく、分かってしまう。ゆっくりと後ろを向くと、ユーリはニコニコと笑いながらレイラを見ている。

その笑顔が、逆に怖かった。


「あの……襲われた事を言わなかったのは、申し訳ございません。」


(怒らせてしまったわ。ユーリ様に、嫌われてしまったかしら…。)

そう思うと、顔がどんどんと下を向いてくる。


「レイラ。此方を見て」


そう言いながら、レイラの顎に手を添え。顔を上に向ける。


「ふふっ。目に涙なんか溜めて、何を心配していたんだい? 僕が、そんな事でレイラを嫌う訳ないじゃないか」


ユーリは、そう言いながらレイラの目元に口付けた。

レイラは声が出せないほど恥ずかしくなり、口がパクパクとなる。


「……ごめんなさい、ユーリ様。ただ、話してみたかったの」


「大丈夫。分かってるよ、ヴィオラに聞いたから。僕は、少し席を外すからその間にクロウと話しときなさい?」


(何か問題でも、有ったのだろうか……。)


レイラは心配になり、ユーリの方を見る。


「少し、クロウを護衛に就けた事で周りの虫が煩いからね。……黙らせるだけだよ?」


「……虫?」


意味が分からなく首を捻っていると、ユーリは何も言わずに微笑み。レイラの頭を撫でて、何処かに行ってしまった。


「ハァ~」


クロウは、いきなりため息を溢す。


「クロウ! また会えて嬉しいわ!!」


「お嬢ちゃんか、殿下に俺の事話したの」


「いえ、私の従者よ。……ヴィオラ!! 言わないでよ!」


ヴィオラの方を向くと、ヴィオラは飲み物を淹れながら首を横に振った。


「無理ですよ。あの魔王に、お嬢様の秘密を喋らないなんて!!」


(……だから、何故ユーリ様を魔王と呼んでいるのよ。)


「確かにな~。あの人は、魔王だわ」


「そうでしょ!? クロウさんとは、仲良く出来そうです。」


(貴方達、何仲良くなって握手してしまっているの?)


「ユーリ様は、魔王なんかじゃないわよ?ただ、怒った時は怖いけれど……。」


(でも、優しいからすぐ許してくれるし。そ、その後の、お仕置きの方が私は耐えられないわ!!)


お仕置きだと言って、ユーリはレイラを膝の上に座らせて髪を撫でたり。頬にキスしてきたりするのだ。

レイラは思い出すだけでも、恥ずかしかった。


「「ハァ~。」」


そんな事を思い出していると、二人に溜め息をつかれてしまった。


「「そんな事を言えるのは、お(ちゃん)様だけだ……。」」


「あの魔王の恐ろしさを知ったら、そんな事も言えなくなりますよ!? 人の弱みを握り、脅してくるんですから!!」


「……何考えているのか、分からねぇ~」


「……貴方達、そこらへんで止めといた方がいいわよ。」


「何でですか!? お嬢様が知らない、殿下を教えます! あの魔王の弱点はお嬢様だから、お嬢様が一言言ってくだされば何とかなるかも!!」


クロウは何かに気づいたのか、目の前から一瞬で消えてしまった。


(……逃げたわね。)


「あの、ヴィオラ?」


「そりゃぁ、お嬢様の事を報告するのは良いですよ?」


止めようとしても、全然止まらない。

そんな事を思っていると、ヴィオラの肩に手が置かれる。


「……ヴィオラ。楽しそうな事を話しているね?」


ヴィオラは、壊れた玩具の様にゆっくりと後ろを振り向く。ヴィオラの後ろには、ユーリが立っていた。


用事が終わったのか、ユーリが戻ってきていたのだ。

二人は気づいていなかったのか、ユーリの事をずっと喋っていた。レイラは、本人が居ることを言おうとしたけれど、二人は聞く耳を持たなかったのだ。


「ねぇ。ヴィオラ、先程魔王だと聞こえたんだけどね?誰の事を魔王と言っているんだい??」


ユーリは、優しく微笑みながら首をかしげている。


「いえ……あの……。で、殿下?聞き間違いでは……?」


「そうか、僕の聞き間違いか……。ねぇ、ヴィオラ。向こうで少し話さない?」


ユーリは、そう言いながらヴィオラを引きずって行ってしまった。


「いやぁぁぁぁぁぁぁ!!」


二人が出ていき。ドアが閉まったと同時に、クロウがレイラの目の前に現れた。


「ハァ~。危なかった~」


「……貴方、逃げたわね」


「ククッ。お嬢ちゃんのお陰で助かったわ~」


クロウはそう言うと、レイラの目の前の席に着き。ヴィオラが淹れていた紅茶を飲んでいた。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ