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……おっと、今は――
「……悪かったな、わざわざ来てもらって」
「ううん、気にしないで。むしろ、こうして呼んでもらえて嬉しいよ」
「……ははっ、なんだそれ。やっぱ変わってるよな、あんた」
それから、数時間後。
放課後、空き教室にて僕の返答に少し可笑しそうに微笑む端麗な少年。それにしても……うん、僕に対してもこういう笑顔を見せてくれるように――
「……あの、どうかした? 由良」
「あっ、いやなんでも……」
すると、少し首を傾げ尋ねる美少年。……おっと、今は感動してる場合じゃない。緩んだ頬を引き締め、ゆっくりと口を開いて――
「……それで、話があるんだよね? 音咲くん」




