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……うん、流石に言いづらい。
「……なあ、どうかしたのか?」
「……へっ?」
「いや、なんかぼおっとしてるから」
「……あ、いや、その……ごめん、ちょっと考えごとを……」
「……ふーん……なんの?」
「……あ、えっと、その……」
それから、十数分後。
中庭のベンチにて、隣から怪訝そうに僕へ問い掛ける音咲くん。……うん、しまった。そうなるよね、考えごとをしてるなんて言ったら。
でも……うん、流石に言いづらい。その理由が、さっきの――
「……ひょっとして、さっきの告白のこと?」
「…………へっ?」




