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……うん、そう言うよね。
「……それで、お父さまは何と……」
「……ええ、そのことですが……父は、私が決めていいと言ってくれました。どんな決断でも私の意思を尊重すると、そう言ってくれました」
「……うん、だろうね」
そう尋ねると、柔和に微笑み答える蒔野さん。……うん、そう言うよね。あのお父さまなら、そう言うよね。
「……それで、蒔野さんは……どう、返事したの?」
ともあれ、恐る恐るそう尋ねてみる。目下、最も大事なことを。すると、少し間があった後――
「……先生は、どうしてほしいですか?」
「……へっ?」




