131/242
早速本題なのですが……
「いえ、謝る必要などありませんよ。私側の都合で勝手に待っていただけなのですし」
すると、僕の言葉に優しく微笑み答える蒔野さん。前述の通り、彼女から大事な話があるとのことで、こうして皆が帰った後二人になるのを待ってたわけで。
「……でも、ここで良かったのかい? たぶんないとは思うけど、もしかしたら誰かが戻ってくる可能性もゼロとは言えないかなと……」
「いえ、ご心配には及びません。もしも誰かに聞かれたとて、何ら困ることもありませんし」
「……まあ、君がそう言うなら」
そんな懸念を口にするも、言葉の通りまるで気にした様子もない蒔野さん。まあ、彼女自身がそう言うなら僕としては――
「――それで、早速本題なのですが……今日を以て、先生とお別れしなくてはなりません」
「………………え?」




