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狂った針は戻らない  作者: 暦海


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早速本題なのですが……

「いえ、謝る必要などありませんよ。私側の都合で勝手に待っていただけなのですし」


 すると、僕の言葉に優しく微笑み答える蒔野まきのさん。前述の通り、彼女から大事な話があるとのことで、こうして皆が帰った後二人になるのを待ってたわけで。


「……でも、ここで良かったのかい? たぶんないとは思うけど、もしかしたら誰かが戻ってくる可能性もゼロとは言えないかなと……」

「いえ、ご心配には及びません。もしも誰かに聞かれたとて、何ら困ることもありませんし」

「……まあ、君がそう言うなら」


 そんな懸念を口にするも、言葉の通りまるで気にした様子もない蒔野さん。まあ、彼女自身がそう言うなら僕としては――



「――それで、早速本題なのですが……今日を以て、先生とお別れしなくてはなりません」


「………………え?」



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