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どうにか来ていただいた次第で。
「……お姉ちゃん、なんで……」
時は戻り、病室にて。
そう、唖然と呟く久谷さん。まあ、そうなるよね。よもや、来ると思わなかっただろうし。お姉さんの思慮深い性格を、きっと誰よりも知ってる久谷さんなら。
実際、舞香さん自身も訪れるつもりはなかった。自分が行っても、妹は喜ばない――どころか、ただ不快にさせてしまうだけとのことで。そんな彼女を、どうにか説得……出来たかどうかは分からないけど、どうにか説得し来ていただいた次第で。
ともあれ、唖然とする久谷さんの方へゆっくり向かっていく舞香さん。そして、ベッドの前まで到着したところで――
「……ごめんね、彩香。ずっと……ずっと辛い思いをさせて、本当にごめんね」




