117/242
……ともあれ、そういう事情なら――
そんな不安の最中、徐に顔を上げそう口にする舞香さん。一方、彼女の言葉に呆然と声を洩らす僕。……えっと、舞香さんが原因? それは、いったい――
『……その、私、生まれた時から重い病気を抱えていまして。それで、お母さんが――』
すると、僕の疑問に答えるようにゆっくりと言葉を紡ぐ舞香さん。そんな彼女の話に驚きつつも、同時に腑に落ちる感覚も抱いていて。
……うん、なるほど。もちろん、舞香さんは何も悪くない。だけど、そういう事情なら彼女に対する久谷さんの気持ちもまた自然と言える感情で。……ともあれ、そういう事情なら僕のすべきことは――
『……あの、舞香さん。その、もし宜しければ――』




