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死飼いとは

「礼金は要らないですし、敷金も必ず戻りますので」


 賃貸物件の管理会社の担当者と僕はスマホで話し合っていた。


「お客様は内見の折り、視えていらして、ご挨拶もしてらしたので慣れていらっしゃると思ってしまいまして」


「視えて?」


「は、はい、私も視える方なのですがその……『お相手』とやり取りまでは出来なくてですね、お客様は慣れていらっしゃると勘違いしまして、ご説明が足りなくなってしまいまして、申し訳ない事で御座います、あの、心理的瑕疵などは本当に全く御座いません、ただ、生き物を飼うのは何故か問題が御座いまして……その、四階は」


 平謝りされ、僕はただ黙るしかなかった。


「判りませんけど分かりました」


ーー失礼します、と言い男は電話を切った。


 引っ越しを考える予定をたてるまでもないな、次の更新日までは、取り敢えず、と僕は深い溜め息をつきながら思った。


「お電話、おわったのー?」


 童女の声がため息のあとに追いかけてきた。僕は自分の部屋にいて、電話をしていたのだった。担当者に諸々『死飼い』について聞くために。


ーーしかし。


「君から聞いた方が、解りやすそうだったよ」


 何かを諦めて、僕はソファーに倒れ込んだ。

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