エピローグ 弟子による回顧
マッツォ=バッショール著「オークの細道」を読んでいくと、思わず立ち上がって感激に手を叩いたり、あるいは座ったまま感動に胸が熱くなったりする。
私も一度はこのような旅がしたいものだと、思わず立ち上がって旅支度をしたり、あるいは座ったまま景色を想像するだけで満足したりする。
こういった心の動きが、文章の力によって形になっている。
旅の、なんと素晴らしいことか。
この旅をし、記録を残した師の才を嬉しく思う。
ただ、嘆かわしいことに、そのマッツォ=バッショールも、近頃は健康に恵まれず、すっかりかよわげになり、眉毛にはだんだん白いものが増えてきている。
初夏 ソリュー記す
あとがき
「奥の細道をモチーフにして、ファンタジーを書いてみよう」
そう思い立ったのは1年以上前でした。
書いてみよう、と思ったはいいものの、きちんと調べてから、作品の勉強をしてから、設定を固めてから……と思っている内に時間は過ぎていきました。
五月十六日、松尾芭蕉が旅立った日に、「今日だ!」と思い立って、勢いで投稿を始めました。
翁が旅を終えた十月に書き終えられたらいいな、などと考えていましたが、一月ばかりで書き終え、投稿も終えることが出来ました。
あまり人の目に触れることがないままに連載終了になってしまいましたが、その少しの、読んでくださった方のちょっとした潤いになっていたら嬉しく思います。
また、次の作品を読んでいただけるように精進します。
最後まで読んでくださった方、本当にありがとうございました。
成井 しる




