5:調査
俺は、浅野と別々に調べることにした。
「どうしっかなぁ・・・・・・」
犯人は如月裕也。そう俺は考えていた。証拠が無い。どうするべきか。
俺は赤いワゴン車の中で考え込んでいた。
「こういうときは、田辺さんに聞いてみるか!」
俺は電話を手にした。
「もしもし、田辺さん。ちょっと相談があって」
「え、僕に?ちょっと待ってね。今・・・・・・よし、サードステージクリアだ!」
どうやらゲームに熱中しているようだ。
「で、何?」
「あの〜、大体の犯人の目星はつきました。殺し方も、一応分かりました」
「すごいじゃん!」
田辺は驚いているようだった。本当にここまで調べるとは考えていなかったのだろう。
「それで〜証拠が無くてですね。何か、良い方法ありませんかねぇ?」
「そうだなぁ〜・・・・・・僕が昔調べた事件じゃぁ、複雑な仕組みの殺し方なら、その道具の出所を調べてみたら意外と犯人が分かったよ」
「あぁ〜・・・・・・なるほど。氷の出所かぁ」
「氷?何それ?」
「良いんで良いんです。ありがとうございました」
俺は電話を切った。
たまには良いことも言うものだ。ありがたい。
「氷の出所を調べてみるかぁ」
俺は早速当時の生徒、特に如月裕也の周りのことを調べた。
すると、偶然にも一つの情報を見つけることが出来た。如月裕也の父、如月真之介は氷製造会社と政治がらみで手を組んでいたらしい。もしかすると、氷の型を作らせたのかもしれない。
俺はその氷会社、「アイスマン」の社長に会いに行くことにした。
「十年前のことなんですがぁ」
「はい、何でしょう」
刑事だと自分が伝えると、アイスマンの社長は快く話を聞いてくれた。
「如月真之介さんはご存じですよね」
「もちらんですよ。今じゃ総理大臣ですからね」
「特注の氷を作って欲しいなんて、言われませんでした」
「ぁぁ〜、言われました言われました。よく知ってますね」
予想的中だ。その形さえ分かれば俺の推理が証明されるかもしれない。
「型とか、ありますかね?」
「探せば多分あると思いますよ」
「見させて下さい」
「良いですよ」
社長は三十分ほど調べてくると言い、この場をあとにした。自分がなにかをやってしまったのではないかと、おそれているようだ。
俺はその間、本を読んでいた。「密室、旅館殺人ミステリー」こういうもが、大好きだ。
「これですこれです」
社長が戻ってくると、大きな型を持ってきてくれた。予想以上に大きい。
「あの、これ作って貰えますか?」
「あぁ〜明日になっちゃうかもしれないんですけど・・・・・・」
「良いですよ」
俺は笑顔を浮かべ、明日を待つことにした。
電話番号を伝え、アイスマンを後にした。携帯を開いても、浅野からの連絡はなかった。
勝手な行動をして、本当に大丈夫だろうか。心配にもなったが、自分にはやることがある。
そして、彼女にもやることがある。
明日が正念場だ。浅野からの連絡も、明日には来るだろう。




